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ハンコ待ちで仕事が止まる。紙の回覧をやめて最小の電子承認に切り替える手順

ハンコ待ちで仕事が止まる。紙の回覧をやめて最小の電子承認に切り替える手順

「承認の書類を回したのに、社長が外出しとって押印が夕方まで戻ってこん」——見積の提出も、発注も、結局ハンコ1つで半日止まる。中小の現場で、よう聞く悩みです。急ぎの案件ほど「誰の机で止まっとるか分からん」状態になりますよね。実は承認の停滞は、高いワークフローシステムを入れんでも、紙の回覧をやめて「チャット+一覧表」の最小の電子承認に置き換えるだけで、ぐっと動きが良うなります。この記事では、いまある道具だけで承認を電子化し、「承認までの時間」を縮める手順を、現場の例と数字の見方つきで順を追ってお伝えします。

この記事のポイント

停滞の原因は「いま誰の番か分からない」こと

紙の回覧は今どこで止まっとるかが見えません。まず承認の道筋を見える化するのが先です。

最小の電子承認は「チャット+一覧表」で足りる

高いシステムは不要。申請はチャット、進み具合は一覧表。この2つだけで回せます。

はかる数字は「承認までの時間」1本に絞る

申請してから承認が下りるまで何時間かを記録するだけ。効果が数字で見えて続きます。

なぜ承認は「ハンコ待ち」で止まるのか

承認が遅れる本当の理由は、決裁する人が忙しいことだけではありません。「いま、その書類が誰の番で止まっとるか」が誰にも見えんこと、これが一番の原因です。紙の回覧は手元を離れた瞬間に行方が分からんようになり、催促するにも「あの人に渡したはず」と記憶頼みになります。まずはこの「見えない」を「見える」に変えることが、時間短縮の出発点になります。

回覧が「行方不明」になる仕組み

博多の建設関連の事務所では、見積の承認書類を朝に回したのに、現場へ出た担当者の鞄の中で半日眠っとった、という声があります。一方、薬院の設計事務所では「申請は必ずチャットに1本投げてから紙を回す」と決めただけで、誰の番かがすぐ分かるようになり、催促の電話が減ったそうです。山笠の舁き手が次の交代位置を全員で共有しとるように、「次に誰が動くか」が見えとるだけで、流れは止まりにくうなります。

Before / After(よくある手戻り)

  • Before:紙を順番に回す → 途中で誰の机にあるか不明 → 期限間際に「まだ押されとらん」が発覚し、急ぎで差し戻し
  • After:チャットで申請+一覧表で進捗を表示 → 止まっとる人がひと目で分かる → 声かけ一本で動き、差し戻しが減る
手戻りの多くは「決裁が遅い」より「どこで止まっとるか見えない」ことから生まれます。そろえるべきは“進み具合の見える化”です。

最小の電子承認は「チャット+一覧表」で足りる

承認を電子化すると聞くと、高いワークフローシステムを想像しがちですが、最初はいりません。いま使うとるチャット(LINE WORKS や Chatwork など)と、共有の表計算(Googleスプレッドシートなど)の2つだけで、最小の承認の流れはちゃんと作れます。むずかしい設定もいらんとです。

具体例:必要なのはこの2つだけ

  • 申請はチャット:件名・金額・期限・対象を決まった形で投げる。口頭やメモ回しをやめる
  • 進捗は一覧表:「申請中/確認中/承認済み」の3状態を1列で持ち、いま誰の番かを表示する
  • 承認の証は文字でOK:押印の代わりに「承認OK(氏名・日付)」とチャットに残す。これが記録になる

用語ミニ解説:電子承認とは

電子承認とは、紙とハンコの代わりに「誰が・いつ・何を承認したか」を画面上の文字や記録で残すやり方のことです。法的な電子契約サービスのような大げさなものでなくても、社内の見積・発注・申請なら「チャットに承認の一文を残す+一覧表で状態を管理する」で十分はじめられます。糸島の食品加工の会社では、まず社内の備品発注だけを電子承認に切り替え、慣れてから見積に広げたことで、現場の混乱なく移行できた、という例があります。

契約書など対外的に押印・署名が法律で求められる書類は、いきなり全部を電子化せず専門家に確認しましょう。まずは社内で完結する見積・発注・各種申請から始めると安全です。

AIで「承認フォーマット」をつくる手順(コピペOK)

電子承認をうまく回すコツは、申請の書き方をそろえることです。人によって書く中身がバラバラだと、確認する側が聞き返す手間が増えて、結局そこで止まります。そこで、申請の決まった型と一覧表の項目を、AI(ChatGPTなど)に下書きしてもらいます。無料のもので十分です。

手順は3ステップ

  • (1) いま回しとる紙の回覧票を1枚用意し、どんな項目があるかメモする
  • (2) AIに「チャット申請の定型文」と「一覧表の列の案」を作ってもらう
  • (3) 出てきた型をチャットに固定(ピン留め)し、一覧表に列を作って運用を始める

そのまま使えるプロンプト例

電子承認フォーマットづくりプロンプト
社内の承認を、紙の回覧からチャット+一覧表に切り替えたいです。次の2つを作ってください。

【やってほしいこと】
・チャットに投げる「申請の定型文」を作る(件名/金額/期限/対象/補足の5項目)
・進捗を管理する「一覧表の列」を提案する(状態は 申請中/確認中/承認済み の3つ)
・承認者がチャットに残す「承認の一文」のお手本も作る

【注意】
・専門用語を使わず、ITが苦手な人でも書ける言葉にする
・金額や期限は記入例を【  】で入れて分かりやすくする

【今ある回覧票の項目】
(ここに今の紙の回覧票の項目を貼る)
取引先名・金額・個人名など外に出せん情報は、伏せ字にしてからAIに貼りましょう。AIが作るのはあくまで“型のたたき台”です。最終的な承認の権限や金額の基準は、必ず人が決めて運用しましょう。

「承認までの時間」を1つだけ記録する(数字の見方)

型ができたら、効果を感覚で終わらせんように数字を1つだけ記録します。欲張って何種類もはかると続かんけん、まずは「承認までの時間」1本に絞るのがコツです。一覧表に「申請した時刻」と「承認済みになった時刻」の2列を足すだけで、自動で差が出せます。

  • 承認までの時間(最重要):申請してから承認が下りるまで何時間・何分かかったか
  • 止まりやすい工程:どの状態(確認中など)で一番長く止まるか
  • 差し戻しの件数:書き方不備などで戻った申請が週に何件か
KPIは欲張らず「承認までの時間」1つでOK。たとえば「平均6時間→1時間半」になっただけでも、急ぎの案件が翌日待ちにならず、現場の安心はぐっと増えます。

まとめと次にやること

  • 承認が止まる原因は「決裁が遅い」より「いま誰の番か見えない」ことです
  • 最小の電子承認は「チャットで申請+一覧表で進捗」の2つで足ります
  • はかる数字は「承認までの時間」1本に絞ると、効果が見えて続きます

次にやること:まずは1種類の申請(社内の備品発注など軽いもの)だけを選び、上のプロンプトで「チャット申請の定型文」を1つ作ってみましょう。1つの型が回り出すだけで、明日からの「ハンコ待ち」がぐっと減ります。

うちの承認、どこから電子化する?と思ったら、ちょっとLINEで聞いてみてください。

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小倉 直樹(おぐら・なおき)

執筆者紹介

小倉 直樹(おぐら・なおき)

業務改善ライター/元SE

紙とExcelを卒業するための実務的な工夫を得意とする。
「仕組み化で人に頼らない現場づくり」をテーマに、効率化事例やツール導入のノウハウを紹介。
几帳面な性格から、記事内でも「チェックリスト化」「手順分解」にこだわる。

趣味:釣り/Excelマクロ収集/家電リサーチ

■出身地
福岡県北九州市

■学歴
1990年 福岡県立東筑高等学校 卒業
1994年 九州工業大学 情報工学部 卒業

■経歴
1994年 SIer勤務 システムエンジニア…中小企業の基幹システム構築
2004年 事業会社 情報システム部…社内業務の効率化・RPA導入
2013年 独立コンサルタント…バックオフィス改善・業務標準化支援
2025年 「ChotGPT Fukuoka」専属ライター…紙業務のDX・仕組み化事例を担当

目次

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