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値上げできん会社が利益を残す「ムダ取り」の考え方

値上げできん会社が利益を残す「ムダ取り」の考え方

「仕入れは上がる一方やのに、お客さんに値上げを言い出せん」——この板挟みで眠れん夜を過ごしとる経営者の方、多かとです。値上げは一番分かりやすい手ですが、長年のお客さんがおる商売ほど、そう簡単には踏み切れんですよね。でも実は、利益を残す道は値上げだけやありません。毎日少しずつこぼれとる「時間・在庫・手戻り」のムダを小さく削るだけで、価格を据え置いたまま利益率は守れます。この記事では、どこにムダが潜んどるかの見つけ方と、削った効果を数字で確かめる考え方を、現場の例つきでお伝えします。

この記事のポイント

利益は「値上げ」だけやなく「ムダ取り」でも残せる

価格を上げにくい商売こそ、こぼれとるムダを削るのが現実的で確実な一手です。

狙うのは時間・在庫・手戻りの3つ

派手な投資はいりません。日々の小さなロスを見つけて、少しずつ小さくするのがコツです。

削った効果は「利益率」と「削減時間」で確かめる

感覚で終わらせず、数字を1つだけ決めて記録すると、ムダ取りが続いて定着します。

値上げの前に「こぼれとる利益」を拾う

値上げは利益を増やす一番太い手ですが、長く付き合うてきたお客さんがおるほど切り出しにくいものです。そこで先に見てほしいのが、毎日ちょっとずつこぼれとる利益です。誰も悪くないのに、段取りや在庫のクセで静かに溶けていくお金がある。ここを拾うだけで、価格を据え置いたまま手元に残る額は変わってきます。

1%のムダ取りは、けっこう効く

利益率がうすい商売では、売上の1%のムダを削るだけでも、利益では何倍にも効いてくることがあります。たとえば利益率5%の会社なら、コストを1%減らすのは、売上を2割増やすのに近いインパクト(あくまで目安)です。春日の製造業では、毎日30分かかっとった在庫の数え直しを見直しただけで、月にすると相当な人件費が浮いた、という声もあります。大きな1発やなく、小さなムダを何個も削るのが、値上げせん会社のやり方です。

狙うべきは「3つのムダ」

  • 時間のムダ:探し物・転記・二度手間など、何も生んどらん作業の時間
  • 在庫のムダ:使わんまま寝とる材料・作りすぎ・期限切れの廃棄
  • 手戻りのムダ:やり直し・差し戻し・クレーム対応で増える余計な工数
この3つは別々に見えて、実は「段取りの曖昧さ」という同じ根っこから生まれます。まず1つ選んで、そこから手をつければ十分です。

時間のムダ:探し物と転記をなくす

一番見つけやすうて、削りやすいのが時間のムダです。中でも「探し物」と「転記(同じ数字を別の紙やソフトに書き写す作業)」は、毎日少しずつ積み上がって、気づけば大きな時間になっとります。本人は仕事しとるつもりでも、お金は1円も生んどらん時間です。

Before / After(よくある手戻り)

  • Before:注文書を紙で受けて、手で台帳に転記 → 写し間違いで数量がズレる → 納品後に「頼んだのと違う」と差し戻し、作り直しの手戻りが発生
  • After:受注のフォーマットを1つにそろえ、転記をやめてそのまま使う → 写し間違いが消えて差し戻しゼロ → 浮いた時間を本来の仕事に回せる
手戻りの多くは「やり方が悪い」のやなく「同じ情報を何度も書き写しとる」ことから生まれます。転記の回数を減らすのが一番効きます。

用語ミニ解説:ムダ取りとは

ムダ取りとは、お客さんにとっての価値を生んどらん作業を見つけて、小さく削っていくことです。仕事を速うやることやなく、そもそもやらんでよい作業を減らすのがポイント。大牟田の卸売の現場では、毎朝バラバラだった在庫の確認を、終業前に1回だけ決まった形で記録するようにしたら、翌朝の探し物と問い合わせがぐっと減った、という例があります。

在庫と手戻り:AIで「ムダの棚卸し」をする手順

どこにムダが潜んどるかは、現場におると逆に見えにくいものです。「いつものこと」になっとるけん、ムダと気づかんとですね。そこで、AI(ChatGPTなど)に自分の1日の作業を聞かせて、ムダの候補を洗い出してもらうのが手っ取り早かです。むずかしい設定はいりません。

手順は3ステップ

  • (1) 自分か現場の人の「1日の作業」を、朝から順に箇条書きにする
  • (2) AIに「時間・在庫・手戻りのムダがどこにありそうか」を聞く
  • (3) 出てきた候補から、すぐ削れそうな1つを選んで今週試す

そのまま使えるプロンプト例

ムダの棚卸し 洗い出しプロンプト
以下は、ある現場の1日の作業の流れです。利益を圧迫しとるムダを見つけてください。

【やってほしいこと】
・作業を【時間のムダ/在庫のムダ/手戻りのムダ】の3つに分類する
・特に「探し物」「転記(書き写し)」「やり直し」が無いか指摘する
・すぐ削れそうな改善案を、優先度の高い順に3つだけ出す

【注意】
・新しいソフトの購入や大きな投資が前提の案は出さない
・お金や時間の効果は「目安」とし、断定はしない

【1日の作業の流れ】
(ここに朝から順に作業を箇条書きで貼る)
AIに渡す前に、お客さんの氏名・取引先名・単価など、外に出したくない情報は伏せておきましょう。出てきた改善案はあくまで“たたき台”です。現場の事情に合うか、必ず人が確かめてから試すのが安全です。

削った効果は「利益率」と「削減時間」で確かめる(数字の見方)

ムダ取りで一番もったいないのは、せっかく削ったのに効果が分からんまま立ち消えることです。「なんとなく楽になった」で終わらせず、数字を1つだけ決めて記録すると、ムダ取りは続いて、利益にちゃんとつながります。

  • 利益率:同じ売上でも、手元に残る割合がどう変わったか
  • 削減時間:その作業に週・月で何分(何時間)かからんようになったか
  • 手戻りの件数:やり直し・差し戻しが月に何件減ったか
KPIは欲張らず1つでよかです。たとえば「転記をやめて週3時間が浮いた」だけでも、その時間を売上に回せば、値上げせんでも利益は前に進みます。

まとめと次にやること

  • 値上げに踏み切れん会社こそ、こぼれとる「時間・在庫・手戻り」のムダを削るのが確実な一手です
  • 狙いは派手な投資やなく、探し物・転記・やり直しといった小さなロスを減らすことです
  • 削った効果は「利益率」か「削減時間」を1つだけ決めて記録すると、定着して利益に変わります

次にやること:まずは自分の1日の作業を10行だけ書き出して、上のプロンプトで「ムダの候補」を3つ出してみましょう。その中の1つを今週削るだけで、値上げに頼らず利益を残す第一歩になります。

うちの場合どこから削る?と思ったら、ちょっとLINEで聞いてみてください。

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糸島 歩(いとしま・あゆむ)

執筆者紹介

糸島 歩(いとしま・あゆむ)

DX設計者/DX解説ライター

地域の中小企業の現場を30年追い続けてきた編集者。
「むずかしいDXを、現場の言葉に翻訳する」が持ち味。
記事だけでなく、構成テンプレ・用語の言い換え辞書まで整える職人気質。

趣味:糸島ドライブ/磯あそびと子ども科学館めぐり/コーヒー焙煎少々

■出身地
福岡県糸島市

■学歴
1991年 福岡県立修猷館高等学校 卒業
1995年 九州大学文学部 卒業

■経歴
1995年 地方紙 経済部記者(福岡)…製造・建設・流通の中小企業を取材
2005年 事業会社 広報/オウンドメディア立ち上げ…BtoB記事と導線設計
2012年 フリー編集者…採用広報・事例記事・ホワイトペーパー制作
2018年 IT/SaaS企業 コンテンツストラテジスト…DX導入事例とHow-to量産
2025年 「ChotGPT Fukuoka」専属ライター…“ちょっとDX”の入門・事例・制度解説を統括

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