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在庫切れで慌てる前に。発注点アラートをスプレッドシートで仕組み化する手順

在庫切れで慌てる前に。発注点アラートをスプレッドシートで仕組み化する手順

「気づいたらラベル用紙が切れとった」「掃除用の洗剤、最後の一本やん…」——備品や消耗品の在庫切れって、いっつも一番忙しいときに発覚しますよね。慌てて買い出しに走って、その間ほかの仕事が止まる。これ、けっこうな手戻りです。実はこの「気づいたら無い」は、人の注意力でなく「残りいくつになったら発注する」という発注点を先に決めておくだけで、ぐっと減らせます。この記事では、スプレッドシートに発注点アラートを仕込んで、誰が見ても「今これを買う」と分かる仕組みのつくり方を、現場の例と数字の見方つきでお伝えします。

この記事のポイント

在庫切れは「注意力」でなく「発注点」で防ぐ

残りいくつで発注するかを先に決めておけば、気づくかどうかを人に頼らずに済みます。

スプレッドシートが自動で「買って」と教えてくれる

残数が発注点を下回ったらセルが赤くなる。見るだけで発注すべき品が一目で分かります。

欠品・発注もれの回数を数えれば仕組みが続く

効果は感覚でなく1つの数字で記録。減っていくのが見えると、現場に定着します。

なぜ在庫切れは「気合い」では防げないのか

在庫の管理を「気をつけとこう」で回そうとすると、たいてい忙しい日に抜けます。人の注意力は一定やないけん、当然です。だから防ぐべきは「うっかり」やのうて、「いくつになったら発注するか」を決めていないこと。この基準のことを発注点と呼びます。ここを先に決めるだけで、判断が要らんようになります。

「発注点」を決めると判断がいらなくなる

春日の整骨院では、消耗するテーピングや使い捨てシーツを「気づいた人が補充」で回しとったところ、月に2〜3回は施術中に切らして慌てて買い足しとった、という声があります。そこで「残り10個になったら発注」と発注点を紙に書いて棚に貼ったところ、誰が見ても発注のタイミングが同じになり、切らす回数が目に見えて減ったそうです。屋台の仕込みで「タレが半分になったら追加で仕込む」と段取りが決まっとるのと同じで、基準があるだけで迷いも手戻りも消えます。

Before / After(よくある手戻り)

  • Before:気づいた人が補充 → 忙しい日ほど見落とす → 在庫ゼロで業務が止まり、慌てて買い出し(その間ほかの仕事も止まる)
  • After:発注点を決めてシートで管理 → 残数が基準を下回ると自動で赤く表示 → 切らす前に発注、買い出しダッシュもゼロに
手戻りの多くは「補充を忘れた」ことより「いつ発注するかを決めていない」ことから生まれます。そろえるべきは基準です。

発注点アラートの仕組みをつくる手順

むずかしいシステムは要りません。GoogleスプレッドシートやExcelが1枚あれば組めます。やることは「品名・残数・発注点を並べて、残数が発注点を下回ったら色がつく」ようにするだけです。順番に見ていきましょう。

まずは5列だけの表をつくる

最初から完璧をめざさず、よく切らす品を10〜20点に絞ってこの5列で作ります。

  • 品名(例:A4コピー用紙、トイレットペーパー、レジロール)
  • 現在の残数(数えた数を入れる。ここだけ更新する運用にする)
  • 発注点(残りいくつで発注するか。後述の決め方で算出)
  • 発注の目安数(一度に何個頼むか)
  • 判定(残数が発注点以下なら「発注」と出す列)
最初から全品目を載せると更新が面倒で続きません。「切らすと困る・よく切らす」品だけに絞るのが、仕組みを回し続けるコツです。

発注点の決め方(むずかしい計算は不要)

発注点は「届くまでの日数」×「1日に使う数」+「念のための予備」で決めます。たとえばコピー用紙が届くのに3日かかり、1日1束使うなら、3束。これに予備2束を足して、発注点は5束、という具合です。きっちりやらんでよかです。最初はざっくり決めて、切らしたり余ったりしたら数字を直せば十分です。

残数が発注点を下回ったら自動で気づく仕掛け

判定列に =IF(残数 <= 発注点, “発注”, “OK”) という式を入れます。これで残数が基準以下になると、その行に自動で「発注」と表示されます。さらに「条件付き書式」で「発注」のセルを赤く塗っておけば、シートを開いた瞬間に発注すべき品が赤でパッと目に入ります。糸島の雑貨店では、この赤いセルを見て週1回まとめて発注する運用に変えたところ、店番のパートさんでも発注もれなく回せるようになった、という例があります。

AIに発注点アラートの表とルールを作ってもらう

「列の式や条件付き書式の設定がよう分からん」というときは、AI(ChatGPTなど)に表のたたき台と設定手順を作ってもらうと早かです。自分の品目を渡すだけで、式入りの表の形と、色をつける手順を文章で出してくれます。

そのまま使えるプロンプト例

発注点アラート 表づくりプロンプト
備品・消耗品の在庫管理表をGoogleスプレッドシート向けに設計してください。

【やってほしいこと】
・列は「品名/現在の残数/発注点/発注の目安数/判定」の5列にする
・判定列に、残数が発注点以下なら「発注」と表示する式(IF関数)を作る
・「発注」のセルを赤く塗る条件付き書式の設定手順を、初心者向けに番号つきで書く
・発注点は「届くまでの日数×1日の使用数+予備」で決める考え方も短く添える

【注意】
・関数や設定は専門用語をなるべく避け、画面の言葉で説明する
・うちの品目(下に貼る)をそのまま表のサンプル行に入れる

【うちの品目】
(よく切らす消耗品を5〜10件、1日の使用数のメモつきで貼る)
AIが出した式や手順は、必ず自分のシートで1度試してから本運用にしましょう。列の位置がズレると式も変わります。発注点の数字は現場の実感に合わせて人が最終調整するのが安全です。

仕組みが続いているかは「回数」で見る(数字の見方)

表ができても、残数の更新が止まれば仕組みは死にます。続いとるかどうかは感覚でなく、1つだけ数字を決めて記録すると分かります。在庫の仕組みで一番効くのは、次の回数です。

  • 欠品の回数:在庫ゼロで業務が止まった・買い出しに走ったのが月に何回か
  • 発注もれの回数:発注点を下回っとったのに頼み忘れたのが月に何回か
  • 更新できている品目の割合:残数がちゃんと最新になっとる品が何割か
KPIは欲張らず1つでOK。たとえば「欠品+発注もれが月5回→月1回に減った」だけでも、現場の慌てっぷりは大きく変わります。

まとめと次にやること

  • 在庫切れは注意力でなく「発注点」を決めることで防げます
  • スプレッドシートに式と色をつければ、残数が基準を下回ったとき自動で気づけます
  • 欠品・発注もれの回数を月単位で数えると、仕組みが続いているか分かります

次にやること:まずは「よく切らす消耗品」を5つだけ書き出して、それぞれの発注点を1つずつ決めてみましょう。5行の表ができるだけで、来月の慌てる買い出しがぐっと減ります。

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小倉 直樹(おぐら・なおき)

執筆者紹介

小倉 直樹(おぐら・なおき)

業務改善ライター/元SE

紙とExcelを卒業するための実務的な工夫を得意とする。
「仕組み化で人に頼らない現場づくり」をテーマに、効率化事例やツール導入のノウハウを紹介。
几帳面な性格から、記事内でも「チェックリスト化」「手順分解」にこだわる。

趣味:釣り/Excelマクロ収集/家電リサーチ

■出身地
福岡県北九州市

■学歴
1990年 福岡県立東筑高等学校 卒業
1994年 九州工業大学 情報工学部 卒業

■経歴
1994年 SIer勤務 システムエンジニア…中小企業の基幹システム構築
2004年 事業会社 情報システム部…社内業務の効率化・RPA導入
2013年 独立コンサルタント…バックオフィス改善・業務標準化支援
2025年 「ChotGPT Fukuoka」専属ライター…紙業務のDX・仕組み化事例を担当

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