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忙しい人だけ残業になる偏りを“見える化”する業務の棚卸し術とAI要約のコツ

忙しい人だけ残業になる偏りを“見える化”する業務の棚卸し術とAI要約のコツ

「定時で帰る人と、毎晩遅くまで残る人がきっぱり分かれとる」——そんな現場、よう見かけます。よくよく聞くと、残っとる人は決まって“その人しかできん仕事”を何本も抱えとる。本人は弱音を吐かんし、まわりも「あの人がやってくれるけん」で回してしまう。気づいたら偏りが固定化して、属人化がどんどん深まっていく…なんてことになりますよね。実はこの偏り、「誰が・何を・どれくらい抱えとるか」を1枚に書き出すだけで驚くほど見えてきます。この記事では、スプレッドシートとAI要約を使って業務を棚卸しし、忙しい人だけに仕事が寄る状態をほどく手順を、現場の例と数字の見方つきでお伝えします。

この記事のポイント

偏りは「感覚」では直らない。まず見える化

「あの人が忙しそう」では動けません。誰が何を抱えとるかを1枚に書き出すと、偏りが数字で見えてきます。

棚卸しの軸は「業務名・担当・頻度・所要時間・代われる人数」

この5列をそろえるだけで、属人化しとる業務(代われる人ゼロ)がひと目で浮かび上がります。

AIに要約させれば、長い一覧も“ボトルネック”だけ抜き出せる

書き出した表をAIに渡すと「特定の人に集中しとる業務」を整理してくれます。次に手を打つ順番が決まります。

なぜ「忙しい人だけ」残業になるのか

残業の偏りは、サボっとる人と頑張る人がおるから起きるわけやありません。多くは「その人しかやり方を知らん仕事」が一人に積み上がっとるのが原因です。代われる人がおらんけん、休めん・渡せん・断れん。まわりも気をつかって振らんようになり、ますます一極集中していきます。だからこそ、まずは「誰が何を抱えとるか」を見える化して、偏りの正体を数字で押さえることが第一歩になります。

「忙しそう」では誰も動けん

春日の運送会社では、配車の手配を長年一人の担当が一手に引き受けとって、その人が休むと現場が止まる状態が続いとったそうです。まわりも「大変そうやね」とは言うても、何をどう手伝えばよいか分からん。声かけ止まりで、仕事は渡らんままでした。山笠の舁き手が担ぐ位置を決めて初めて動き出すように、誰がどの棒を担いどるかが見えとらんと、手伝いようがないとです。見える化は、その「担いどる中身」を表に書き出す作業です。

Before / After(よくある手戻り)

  • Before:「忙しそうな人に都度お願い」 → 結局いつも同じ人に集まる → その人が休むと業務が止まり、あわてて引き継ぎ依頼 → やり方が分からず手戻り発生
  • After:業務を棚卸しして偏りを見える化 → 「代われる人ゼロ」の業務から先に共有 → 担当を分散でき、一人が休んでも回る
手戻りの多くは「急に引き継ぐ」ときに起きます。偏りを平時に見える化しておけば、いざというときの引き継ぎが要らんようになります。

棚卸しは「5つの列」でそろえる

見える化と言うても、凝った仕組みはいりません。スプレッドシートに5列つくって、業務を1行ずつ書き出すだけです。大事なのは列をそろえること。バラバラに書くと、あとで比べられんようになります。

この5列だけそろえればよか

  • 業務名:「請求書発行」「配車手配」など、やっとることを1行で
  • 担当:いま主にやっとる人の名前
  • 頻度:毎日/週1/月末 など
  • 1回の所要時間:おおよそで30分・2時間 など(正確やなくてよか)
  • 代われる人数:その業務を代われる人が何人おるか(ここが 0 や 1 の行が属人化の正体)

この「代われる人数」の列が、棚卸しの肝です。ここが0の業務に印をつけるだけで、どこから手を打てばよいか順番が決まります。

用語ミニ解説:属人化とは

属人化とは、ある業務が「特定の一人にしかできん状態」に固まってしまうことです。糸島の宿泊施設では、予約サイトの料金設定を一人のスタッフだけが触れる状態になっとって、その人の出勤日に合わせて全部の作業が回っとったそうです。棚卸しで「代われる人ゼロ」と可視化されたのをきっかけに、手順を1枚にまとめて2人で回せるようにしたところ、料金更新の遅れが減ったという例があります。属人化は責めるものやのうて、見える化して少しずつほどくものです。

AIで一覧を“要約”して偏りを抜き出す(コピペOK)

業務を書き出すと、行数はあっという間に数十行になります。眺めるだけでは偏りが埋もれてしまうけん、ここでAIの出番です。表をそのまま貼って「どこに集中しとるか」を要約してもらいます。むずかしい設定はいりません。文脈・目的・出力形式の3点を渡すだけです。

手順は3ステップ

  • (1) 5列の棚卸し表をスプレッドシートからコピー(名前は伏せ字でもよか)
  • (2) AIに「担当別の負荷と、代われる人ゼロの業務」を整理してもらう
  • (3) 出てきた要約を見て、共有・分散する業務を3つだけ決める

そのまま使えるプロンプト例

業務棚卸し 偏り要約プロンプト
以下は社内の業務棚卸し表です。仕事の偏りを見える化したいので、整理してください。

【やってほしいこと】
・担当ごとに「抱えとる業務の数」と「合計のおおよその所要時間」を集計する
・「代われる人数」が0または1の業務を、属人化リスクとして一覧にする
・偏りが大きい担当を上から順に並べ、まず分散すべき業務を3つ提案する

【注意】
・所要時間はあくまで目安として扱う(正確な計測ではない前提)
・個人を責める表現は避け、業務の仕組みとして淡々と整理する

【出力形式】
・担当別サマリーの表 → 属人化リスク業務の一覧 → 分散提案3つ の順

【棚卸し表】
(ここに業務名・担当・頻度・所要時間・代われる人数 の表を貼る)
個人情報・人事評価に注意。担当者の氏名は「Aさん・Bさん」のように伏せてから貼ると安全です。AIの要約はあくまで“見える化の補助”です。負荷の最終判断や担当の入れ替えは、本人と話したうえで人が決めましょう。

偏りをほどき、効果を数字で確かめる

要約で「分散すべき業務トップ3」が見えたら、いきなり全部を動かさんでよかです。まず1つだけ、代われる人ゼロの業務を選んで、手順を1枚にまとめ、もう1人が触れる状態をつくります。これを月に1〜2本ずつ進めるだけで、偏りは少しずつ平らになっていきます。効果は感覚で終わらせず、数字を決めて記録すると続きます。

  • 残業時間の偏り:一番多い人と少ない人の月間残業時間の差が何時間か
  • 代われる人ゼロの業務数:棚卸し表で「代われる人数0」の行が何件残っとるか
  • 引き継ぎの手戻り:休んだ人の業務が止まって慌てた回数が月に何件か
KPIは欲張らず1つでよか。たとえば「代われる人ゼロの業務が12件→7件に減った」だけでも、偏りは確実にほどけとる証拠です。残業時間の差が縮まれば、現場の納得感もぐっと増します。

まとめと次にやること

  • 残業の偏りは、感覚やのうて「誰が何を抱えとるか」を1枚に書き出して見える化することから始まります
  • 棚卸しは「業務名・担当・頻度・所要時間・代われる人数」の5列でそろえると、属人化が一目で浮かびます
  • 表をAIに要約させれば、まず分散すべき業務が決まり、偏りを順番にほどけます

次にやること:まずはスプレッドシートに5列つくって、いま思いつく業務を10行だけ書き出してみましょう。「代われる人数」の列を埋めるだけで、どこに偏りが集まっとるかが、その場で見えてきます。

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小倉 直樹(おぐら・なおき)

執筆者紹介

小倉 直樹(おぐら・なおき)

業務改善ライター/元SE

紙とExcelを卒業するための実務的な工夫を得意とする。
「仕組み化で人に頼らない現場づくり」をテーマに、効率化事例やツール導入のノウハウを紹介。
几帳面な性格から、記事内でも「チェックリスト化」「手順分解」にこだわる。

趣味:釣り/Excelマクロ収集/家電リサーチ

■出身地
福岡県北九州市

■学歴
1990年 福岡県立東筑高等学校 卒業
1994年 九州工業大学 情報工学部 卒業

■経歴
1994年 SIer勤務 システムエンジニア…中小企業の基幹システム構築
2004年 事業会社 情報システム部…社内業務の効率化・RPA導入
2013年 独立コンサルタント…バックオフィス改善・業務標準化支援
2025年 「ChotGPT Fukuoka」専属ライター…紙業務のDX・仕組み化事例を担当

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