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申込書やFAXの転記をやめる第一歩。スマホ写真→AI抽出でCSVに貼る仕組み

申込書やFAXの転記をやめる第一歩。スマホ写真→AI抽出でCSVに貼る仕組み

「申込書もFAXも、結局あとから台帳に手で打ち直しとる」——そんな二重入力に、地味に時間を取られとる現場は多かです。紙を見ながらExcelに打って、打ち間違いがないか目で確認して…と、ひとつの申込でも同じ内容を二度三度さわっとる。実はこの転記、スマホで写真を撮ってAIに読ませ、CSVに貼れる形で出すところから少しずつ減らせます。この記事では、申込書やFAXを「写真→AI抽出→CSV」に乗せる手順と、レイアウトがバラバラなときにハマりやすい落とし穴、そして転記時間と誤入力率という2つの数字での確かめ方を、順を追って整理します。

この記事のポイント

二重入力は「写真→AI抽出→CSV」で減らせる

紙を見て手打ちする工程を、撮って読ませて貼るだけに置き換える第一歩を作ります。

つまずきの正体は「レイアウトの多様さ」

申込書やFAXの様式がバラバラだと抽出がズレます。列の名前と順番を先に固定するのが肝です。

効果は転記時間と誤入力率で確かめる

感覚で終わらせず、1件あたりの転記時間と打ち間違いの率を記録すると改善が続きます。

なぜ「二重入力」がいつまでも残るのか

申込書やFAXが紙やPDFで届く現場では、内容を台帳(Excelや基幹システム)に入れるとき、どうしても人が見て打ち直すことになります。これが二重入力です。やっかいなのは、打ち直しのたびに「読み間違い」と「打ち間違い」という2種類のミスが入り込むこと。しかも忙しい日ほど後回しになって、夜にまとめて入力→集中力が切れて誤入力、という悪循環になりがちです。まずはこの工程を「撮って読ませる」に置き換える発想から始めます。

手作業の転記は「見る・打つ・確かめる」の3回さわっとる

春日の事務系の現場では、FAXで届く申込を1件ずつ目で追って台帳に手打ちし、もう一度紙と画面を見比べて確認する、という流れがありました。つまり同じ1件を「見る」「打つ」「確かめる」で最低3回さわっとる計算です。ここをAI抽出にすると、人の役目は「確かめる」1回に寄せられる。打つ作業をAIに渡して、人は最終チェックに集中する、という分担に変わります。山笠の舁き手が役割を決めて動くように、工程ごとに担当を切り分けるのが第一歩です。

Before / After(よくある手戻り)

  • Before:紙やFAXを見ながら台帳に手打ち → 読み間違い・打ち間違いが混ざる → 後日「数字が違う」と発覚して、元の紙を探して打ち直し
  • After:スマホで撮ってAIにCSV形式で抽出させる → 人は中身を見比べて直すだけ → 打つ工程が減り、確認に集中できて手戻りが減る
手戻りの多くは「打ち間違い」より「打ち直しの発生」そのものです。打つ回数を減らせば、直す回数も自然と減ります。

写真→AI抽出→CSVの全体像

むずかしい仕組みはいりません。スマホで申込書やFAXを撮り、その画像をAI(ChatGPTなどの画像が読めるもの)に渡して、あらかじめ決めた列の並びでCSV形式に出してもらうだけです。出てきた表をそのまま台帳のCSV欄に貼れば、手打ちの大半が消えます。大事なのは「自由に読ませない」こと。列の名前と順番を先に固定しておくのが、几帳面さの見せどころです。

手順は3ステップ

  • (1) 台帳の列を決める(例:受付日/氏名/会社名/電話/申込内容/金額)。この順番を以後ずらさない
  • (2) 申込書やFAXをスマホで明るく撮る。影と斜めを避け、文字がはっきり写るようにする
  • (3) 画像をAIに渡し、決めた列の並びでCSVに出してもらい、台帳に貼る

用語ミニ解説:CSVとは

CSVは、項目をカンマで区切って並べただけの、いちばん素朴な表データの形です。Excelでもそのまま開けて、ほとんどの台帳システムに取り込めます。AIに「CSV形式で」とお願いするだけで、コピーして貼れる表が返ってくる、と思っておけば十分です。薬院の小さな事務所でも、特別なソフトを買わずにExcelとAIだけで「貼れる形」を作って回しはじめた、という例があります。

レイアウトが多様なときの落とし穴

この取り組みでいちばんつまずくのが、申込書やFAXの様式がバラバラなときです。手書きと印字が混在したり、会社ごとに項目の場所が違ったり、FAXがかすれて読めなかったり。ここを甘く見ると、抽出結果が静かにズレて、かえって手戻りが増えます。落とし穴を先に知っておくのが几帳面な進め方です。

具体例:ありがちな3つのズレ

  • 列ズレタイプ(様式が変わると項目の位置が動く)→ 列の名前と順番をプロンプトで固定し、ない項目は空欄で返させる
  • 読み取りタイプ(手書き・かすれFAXで誤読)→ 自信がない箇所は「(要確認)」と印をつけて出させ、人が見る
  • 勝手に補完タイプ(書いてない情報をAIが推測で埋める)→ 「書いていないことは推測しない」と明記して、空欄のまま返させる

先に「1様式・10枚」で慣らすのが安全

いきなり全部の様式を流すと、どこでズレたか分からんようになります。宗像の受発注まわりの現場では、まず一番多い1様式に絞って10枚ほど試し、抽出のクセ(どの項目が誤読しやすいか)を見てからプロンプトを微調整しました。様式ごとに少しずつ広げるのが結局いちばん速い、という地味だけど確かな結論です。糸島の宿泊系の事務でも、FAX様式が複数あるなら様式別にプロンプトを分けたほうが、混ぜるより誤入力が減ったそうです。

そのまま使えるAI抽出プロンプト

下のプロンプトは、写真をAIに渡すときに一緒に貼る指示です。列の並びを固定し、書いていないことは埋めさせず、怪しい箇所には印をつけさせる——この3点が、ズレを防ぐ几帳面な設計です。自分の台帳の列名に置き換えて使ってください。

申込書・FAX → CSV抽出プロンプト
添付した申込書(またはFAX)の画像を読み取り、表データを作ってください。

【やってほしいこと】
・次の列の順番どおりにCSV形式で出力する
  受付日,氏名,会社名,電話番号,申込内容,金額
・1枚につき1行。複数枚あれば行を増やす
・読み取れない/自信がない箇所は値の後ろに(要確認)と付ける

【注意】
・書いていない項目は推測で埋めず、空欄のままにする
・金額や日付の形式は変えず、紙に書かれたとおりに写す
・氏名・電話番号などの個人情報は、こちらが伏せ字にしたまま扱う

【対象】
・添付画像(明るく正面から撮影したもの)
守秘・個人情報に注意。AIに渡す前に、氏名・電話番号・口座番号など外に出したくない情報は伏せ字(例:山◯太◯)にしてから撮影・貼り付けしましょう。社外サービスに通すのが不安な内容は、社内ルールで「AIに渡してよい項目/ダメな項目」を先に決めておくと安全です。

効果は「転記時間」と「誤入力率」で確かめる

仕組みを入れたら、効いとるかどうかを数字で見ます。欲張らず、追うのは2つだけでよかです。導入前に少しだけ手で測っておくと、後で比べられます。

  • 1件あたりの転記時間:申込1件を台帳に入れ終わるまで何分か(前後で比較)
  • 誤入力率:チェックで見つかった間違いが、全件のうち何%か
  • 確認に回せた時間:打つ時間が減った分、見直しにどれだけ充てられたか
KPIは2つに絞るのが続けるコツ。たとえば「1件3分→1分、誤入力率5%→1%」と書けるだけで、改善の手応えがはっきりします。

まとめと次にやること

  • 二重入力は「スマホ写真→AI抽出→CSVに貼る」で、打つ工程から減らせます
  • つまずきの正体はレイアウトの多様さ。列を固定し、書いてないことは埋めさせないのが肝です
  • 効果は転記時間と誤入力率の2つで確かめると、改善が数字で残ります

次にやること:まずは一番多い様式を1つ選び、台帳の列名を決めて、上のプロンプトで申込書を1枚だけCSVにしてみましょう。1枚うまく貼れたら、同じ様式で10枚に広げる——この順番が、手戻りなく進める近道です。

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小倉 直樹(おぐら・なおき)

執筆者紹介

小倉 直樹(おぐら・なおき)

業務改善ライター/元SE

紙とExcelを卒業するための実務的な工夫を得意とする。
「仕組み化で人に頼らない現場づくり」をテーマに、効率化事例やツール導入のノウハウを紹介。
几帳面な性格から、記事内でも「チェックリスト化」「手順分解」にこだわる。

趣味:釣り/Excelマクロ収集/家電リサーチ

■出身地
福岡県北九州市

■学歴
1990年 福岡県立東筑高等学校 卒業
1994年 九州工業大学 情報工学部 卒業

■経歴
1994年 SIer勤務 システムエンジニア…中小企業の基幹システム構築
2004年 事業会社 情報システム部…社内業務の効率化・RPA導入
2013年 独立コンサルタント…バックオフィス改善・業務標準化支援
2025年 「ChotGPT Fukuoka」専属ライター…紙業務のDX・仕組み化事例を担当

目次

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