「引き継ぎ資料?そんなもん無かよ。あの人に聞いて」——いざ人が辞めたり休んだりしたときに、これでヒヤッとした経験はありませんか。手順書を一から文章で書くのは時間がかかるし、書いても更新されんまま埃をかぶる…。そこで実務的なのが、スマホの縦動画30秒を10本撮るだけで作る“超ミニ業務マニュアル”です。きれいな編集はいりません。この記事では、撮るべき作業の決め方、失敗しない撮影チェックリスト、社内での共有のしかた、そして効果を測るKPIまでを、順を追ってお伝えします。
この記事のポイント
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文章よりまず「30秒の縦動画」が早い
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手順書を書くより、作業しながらスマホで撮るほうが圧倒的に速く、手の動きまで残せます。
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10本に絞ると“あの人しか分からん”が消える
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毎日のように発生する作業を10本だけ撮れば、属人化のいちばん痛い部分が誰でも回せるようになります。
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共有のしかたを決めれば回り続ける
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撮って終わりにせず、置き場所と命名ルールを先に決めておくと、後から探せて更新も続きます。
なぜ「文章の手順書」より「30秒動画」が続くのか
手順書がうまくいかん一番の理由は、書くのにも読むのにも時間がかかるからです。作業の手を止めて文章におこし、写真を貼り、レイアウトを整える——ここで力尽きて「あとでまとめて」になり、結局できあがらん。動画なら、作業しながら撮るだけ。手の角度やコツも自然に映ります。几帳面に作り込むより、まず「撮って残す」ほうが現場では回ります。
「作業しながら撮る」だけで属人化がほどける
春日の金属加工の工場では、段取り替えの手順が長年ベテラン1人の頭の中だけにあり、その人が休むと機械が止まっとったそうです。試しにその段取りを30秒ずつ区切ってスマホで撮ったところ、入って半年の若手でも見ながら段取りできるようになり、ベテランが付きっきりで教える時間が減った、という声があります。文章では伝わらん「ここをこう押さえる」が、映像なら一目で分かるとです。
Before / After(よくある手戻り)
- Before:口頭で教える → 新人が「あれ、次どうするんやったかな」と毎回先輩に聞きに行く → 先輩の手が止まり、教える側も疲れる
- After:30秒動画10本を共有 → 新人はまず動画で確認 → 分からんところだけ聞く → 先輩に聞く回数が激減し、教育の手戻りが減る
何を10本撮るか——作業の選び方
いきなり全部を動画にしようとすると挫折します。狙うのは「あの人しか分からん」かつ「よく発生する」作業だけ。ここを10本に絞るのが几帳面なやり方です。数が多いほど良いわけやなく、効くところに絞るのがコツです。
具体例:撮るべき作業の見つけ方
- 止まると困る作業(その人がいないと業務が止まる)→ 機械の立ち上げ、レジ締め、発注の手順
- 毎回聞かれる作業(新人が必ずつまずく)→ 専用ソフトの操作、伝票の書き方、電話の取り次ぎ手順
- たまにしか無いから忘れる作業(月1・年1で誰も覚えとらん)→ 月末処理、在庫棚卸し、特定の機械のメンテ
用語ミニ解説:属人化とは
属人化とは、ある仕事が特定の人のやり方・記憶だけに頼っとる状態のことです。その人が休む・辞めると業務が止まるリスクになります。糸島の宿泊施設では、チェックイン端末の操作が一部スタッフしか分からん状態でしたが、操作の流れを30秒動画に分けて残したことで、新しく入ったスタッフでも初日からフロントに立てるようになった、という例があります。
失敗しない撮影チェックリスト(コピペOK)
撮り方が雑だと「結局よう分からん」動画になり、撮り直しという手戻りが発生します。凝った編集はいりませんが、最低限そろえる点だけは決めておくと一発で使える動画になります。下のチェックリストを撮影前に1回読むだけで品質がそろいます。
撮る前にそろえる7項目
- (1) 縦向き・30秒以内:スマホで見る前提。長いなら2本に分ける
- (2) 1本1作業:「立ち上げ」と「片付け」は別の動画に分ける
- (3) 最初の3秒で何の動画か言う:「これはレジ締めです」と冒頭で宣言
- (4) 手元が映る角度:操作するボタンや手の動きが隠れんように
- (5) 声で実況:「ここを押して、次にこれ」と口に出しながら
- (6) 個人情報・顔は映さない:画面の名前や電話番号、お客さんの顔に注意
- (7) 撮ったらその場で1回見る:音が入っとるか、手元が見えるか確認
タイトルと共有メモをAIに整える
動画を10本も撮ると、後から「どれが何の動画か分からん」となりがちです。そこで、撮った作業の一覧をAI(ChatGPTなど)に渡して、探しやすいタイトルと一覧表に整えてもらうと管理がラクになります。動画そのものはAIに渡さんで大丈夫。作業名のメモだけで十分です。
以下は、社内向けに撮った業務の30秒動画の作業メモです。新人でも探しやすいように整理してください。
【やってほしいこと】
・各動画に「番号+短いタイトル」を付ける(例:01_レジ締めのやり方)
・「どんなときに見るか」を1行で添える
・一覧表(番号/タイトル/見る場面)の形にまとめる
【注意】
・専門用語は社内の人が使う言い方に合わせる
・個人名やお客さま情報は入れない
【作業メモ】
(ここに撮った作業を10件ほど貼る)
社内での共有のしかた——置き場所と命名を先に決める
撮るより難しいのが「続けて使われる状態」を作ることです。ポイントは、撮る前に“置き場所”と“名前のルール”を決めておくこと。後から決めようとすると、動画があちこちに散らばって誰も探せんくなります。ここを先に固めるのが、仕組みで回す現場づくりの肝です。
そろえておく3つのルール
- 置き場所はひとつ:共有フォルダやチャットの専用ルームなど、全員が同じ1か所を見るようにする
- 名前は「番号+作業名」:「01_レジ締め」のように頭に番号を付けると並び順がそろう
- 入口に一覧を1枚:番号と作業名の一覧をフォルダの先頭に置き、新人はまずここを見る
更新が止まらない小さな工夫
やり方が変わったら、古い動画を消して撮り直すだけ。文章の手順書のように書き直す手間がないので、更新が続きます。大牟田の運送会社では、積み込み手順が変わるたびに該当の1本を撮り直すルールにしたところ、マニュアルが“常に最新”の状態で保たれ、新人が古い手順で覚えてしまう手戻りが無くなった、という声があります。
効果は数字で見る——新人の立ち上がりと先輩の時間
動画を作っただけで満足せず、1つだけ数字を決めて記録すると、効果が見えて続きます。このテーマで一番効くのは「新人の立ち上がり」と「教育にかかる先輩の時間」です。欲張らず、まずは1つに絞りましょう。
- 新人が独り立ちするまでの日数:その作業を一人で回せるまで何日かかったか
- 先輩が教育に使った時間:1人を教えるのに先輩が付いた時間が週に何時間か
- 「分からん」で聞かれた回数:同じ質問が1日に何回来たか
まとめと次にやること
- 手順書を文章で書くより、30秒の縦動画10本のほうが速く、手の動きまで残せます
- 「止まると困る・よく聞かれる作業」に絞り、撮影チェックリストで品質をそろえます
- 置き場所と命名を先に決めれば、半年後も使われ更新も続きます
次にやること:まずは「あの人しか分からん作業」を1つだけ選び、スマホで30秒撮ってみましょう。声で実況しながら手元を映すだけでOK。1本できれば、残り9本の撮り方も見えてきます。
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