福岡の会社を"ちょっと"ラクにするローカルDXメディア

福岡市の天気 天気アイコン

内定者が辞退する前に。入社までの不安を先回りでケアする言葉のしくみ

内定者が辞退する前に。入社までの不安を先回りでケアする言葉のしくみ

「いい人が採れた、と安心しとったのに、入社2週間前に辞退の連絡が来た」——採用に力を入れとる中小の現場ほど、よう聞く悩みです。本人の気持ちが冷めたわけやないことも多くて、内定から入社までの“空白の数ヶ月”に、誰にも言えん不安が静かに膨らんでいく。実はこの時期は、「あなたを待っとるよ」という小さな声かけを定期的に届けるだけで、ぐっと辞退が減ります。この記事では、心理的安全性のエッセンスをやさしく取り入れながら、AI(ChatGPTなど)で内定者フォローの定型文を“下ごしらえ”する手順を、現場の例と数字の見方つきで一緒に考えてみましょう。

この記事のポイント

辞退の多くは「空白期間の不安」から生まれる

内定から入社までの連絡が途切れると、不安は静かに膨らみます。先回りの声かけが一番効きます。

「待っているよ」を届けると心理的安全性が育つ

歓迎されている実感があると、人は安心して一歩を踏み出せます。言葉のしくみで安心を渡しましょう。

定型文はAIで下ごしらえできる

不安の種類別にメッセージの型をAIで用意すれば、担当が変わっても温かさがブレません。

なぜ「内定後の空白」で気持ちが揺れるのか

内定者が本当にほしいのは、立派な条件の説明よりも「ここに来て大丈夫」という安心感です。内定が出た直後はうれしくても、そこから連絡が途切れると、「自分は本当に必要とされとるのかな」「あの会社で馴染めるやろか」という小さな不安が、誰にも相談できんまま大きくなっていきます。だからこそ、入社までの数ヶ月に“先回りで声をかける型”を持っておくことが、何より大事になります。

沈黙は「歓迎されていない」と受け取られやすい

春日のある製造業では、内定通知のあと事務的な書類連絡しか送っとらず、入社直前に「他社に決めました」と辞退が続いた、という声があります。一方、薬院の小さな会社では、月に一度だけ「最近こんなことがありました、〇〇さんに会えるのを楽しみにしています」と短いメッセージを送り続けたところ、辞退がほぼ止まったそうです。博多の商店街で、まだ来とらん新しいお店を「いつ開くと?」とみんなが待ちわびるように、「待っとるよ」という気持ちが届いとるだけで、人の心はずいぶん落ち着きます。

Before / After(よくある手戻り)

  • Before:内定後は書類連絡だけ → 本人の不安が見えないまま放置 → 入社直前に突然の辞退で採用やり直し
  • After:不安に寄り添う声かけを定期化 → 歓迎されている実感が育つ → 安心して入社、配属後の立ち上がりもスムーズ
辞退の多くは「条件の不満」ではなく「歓迎されている実感の不足」から生まれます。そろえるべきは“待っている気持ち”の伝え方です。

内定者の不安を“種類”で分けて寄り添う

ひとくちに「不安」と言うても、響く言葉は人によって違います。不安の中身を取り違えると、せっかく丁寧に連絡しても「分かってもらえとらんな」と気持ちが離れていきます。まずは大きく3つに分けて考えると、寄り添いやすかです。

具体例:よくある3つの不安と“最初のひと言”

  • 人間関係タイプ(馴染めるか不安)→「同じ部署の先輩も、〇〇さんに会えるのを楽しみにしています」
  • 仕事内容タイプ(自分にできるか不安)→「最初はゆっくりで大丈夫です。一緒に覚えていけるよう準備しています」
  • 取り残されタイプ(自分だけ放っておかれた気がする)→「連絡が空いてしまってごめんなさい。近況を少しだけお伝えしますね」

用語ミニ解説:心理的安全性とは

心理的安全性とは、「ここでは素直な気持ちを出しても大丈夫」と思える状態のことです。むずかしく考えんでよくて、要は「弱音や質問を出しても受け止めてもらえる」と感じられること。糸島の宿泊施設では、内定者に「不安なことは何でも、入社前でも遠慮なく聞いてね」と一言添えるようにしたら、本人から先に相談が来るようになり、辞退の前ぶれに早く気づけるようになった、という例があります。

AIで内定者フォローの定型文を下ごしらえする手順(コピペOK)

気持ちのこもった文章を毎回ゼロから書くのは大変です。そこで、ベースになる“型”をAIに先に書き出してもらい、最後に名前や近況をひと言だけ自分の言葉で足す。これが「下ごしらえ」の考え方です。むずかしい設定はいりません。無料のChatGPTなどに、次の3点(文脈・目的・出力形式)を渡すだけです。

手順は3ステップ

  • (1) 内定者の不安を3種類(人間関係/仕事内容/取り残され)でメモする
  • (2) AIに「不安の種類別に、月1で送れる短いメッセージの型」を作ってもらう
  • (3) 送る直前に、名前と最近の出来事をひと言だけ自分の言葉で足す

そのまま使えるプロンプト例

内定者フォロー 定型文 下ごしらえプロンプト
入社までの内定者に送る、安心感を伝える短いメッセージの型を作ってください。

【やってほしいこと】
・不安を【人間関係/仕事内容/取り残され】の3種類に分ける
・種類ごとに「歓迎の一言 → 寄り添いの一言 → 気軽に聞いてねの一言」の型を作る
・やわらかい敬語で、各3〜4文の短いメッセージにする
・最後に【名前】【最近の出来事】を自分で書き足す空欄を残す

【注意】
・給与・配属・残業など条件の約束はせず「入社後に一緒に確認しましょう」に留める
・プレッシャーを与える表現(期待しているよ等の重い言葉)は避ける

【伝えたい雰囲気】
(ここに自社の雰囲気を一言で。例:あたたかい・ざっくばらん 等)
守秘・個人情報に注意。内定者の氏名・連絡先・選考メモなどはAIに貼らず、空欄のまま型だけ作ってもらいましょう。配属・給与・残業など条件にかかわる約束は人が判断し、定型文では「入社後に一緒に確認しましょう」に統一すると安全です。

先回りのケアで“内定辞退率”を下げる(数字の見方)

定型文の型がそろうと、内定者フォローは「気が向いたときにやる作業」から「誰でも続けられるしくみ」に変わります。これは心理的安全性を組織として育てる第一歩です。効果は感覚で終わらせず、1つだけ数字を決めて記録すると続きます。

  • 内定辞退率:内定を出した人のうち、辞退した人の割合が何%か
  • フォロー接触の回数:内定から入社まで、何回声をかけられたか
  • 本人からの相談:入社前に本人から相談が来た件数が何件か
KPIは欲張らず1つでOK。たとえば「内定辞退率が30%→10%に下がった」だけでも、採用のやり直しが減って現場の安心はぐっと増えます。

まとめと次にやること

  • 辞退の多くは「空白期間の不安」から生まれます。先回りの声かけがいちばん効きます
  • 不安を「人間関係/仕事内容/取り残され」で分けると、寄り添う言葉を選びやすくなります
  • AIで定型文を下ごしらえすれば、担当が変わってもあたたかさがブレません

次にやること:まずは内定者ひとりを思い浮かべて、上のプロンプトで「人間関係タイプのメッセージ」を1つだけ作ってみましょう。名前をひと言足して送るだけで、相手の入社までの数ヶ月がぐっと安心なものになります。

うちの内定者にはどう伝える?と思ったら、ちょっとLINEで聞いてみてください。

LINEで「業種・いま一番の困りごと・だいたいの規模」を2〜3行送ってください。あなたの会社の“最初の一歩”を1つ、具体的に無料で提案します。売り込みはしません。

天神 真理(てんじん・まり)

執筆者紹介

天神 真理(てんじん・まり)

人事DXライター/研修講師

人と組織の成長をテーマに、採用・教育・評価制度を解説するスペシャリスト。
「やわらかいけど芯がある」文章で、制度だけでなく人の気持ちに寄り添う記事を執筆。
心理学の知見を活かし、実務に使える人材育成ノウハウを届ける。

趣味:歌舞伎鑑賞/心理学書の読書/紅茶集め

■出身地
福岡県福岡市中央区

■学歴
1992年 福岡県立筑紫丘高等学校 卒業
1996年 九州大学 教育学部 卒業

■経歴
1996年 人材サービス会社 人事コンサルタント…採用・制度設計を担当
2006年 研修会社 講師…新人研修・管理職研修の企画運営
2015年 独立 HRアドバイザー…人材育成・評価制度改革を支援
2025年 「ChotGPT Fukuoka」専属ライター…人事DX・人材育成記事を担当

目次

    DX、AIのコトを
    ちょっと相談できます。
    話を盛るのは苦手です。
    真面目に答えます。