「DXとかIT化って、お金がかかるばかりで採算が合うとやろうか?」「システム入れた後に税金で損したくないっちゃけど……」
福岡の堅実な経営者さんほど、ここを気にされます。実はこの悩み、「税制(税金の優遇)」を味方につけることで見え方がガラッと変わります。
2026年現在、国は「DXを進める会社には税金を軽くする」仕組みを継続しています。今回は一次情報をもとに、実質の導入コストを税金で取り戻すための使い方を、やさしく具体的にまとめます。
この記事のポイント
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100万円級は税制の出番
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大きめのIT投資ほど「一括で経費」などの効果が効きやすいです。
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即時償却で“今期の税金”を軽く
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買った年にまとめて経費にできるため、初年度の資金繰りが楽になります。
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税額控除という別ルートもある
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経費化ではなく、納める税金から直接差し引く選択肢もあります。
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導入前の手続きが超重要
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「買ってから申請」では間に合わんことがあります。設備取得“前”に計画認定が基本です。
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期限は2027年3月31日まで
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多くの優遇は時限措置です。2026年は動きやすい年になります。
100万円以上のIT投資をするなら「中小企業経営強化税制」をまず確認
もし2026年度中に、100万円を超えるソフトウェアやシステム(生産管理、在庫管理、顧客管理など)を入れるなら、「中小企業経営強化税制」は先に見ておきたい制度です。
この制度は、経営力向上計画の認定を受けた上で対象設備を導入すると、即時償却(買った年に全額を経費)または税額控除を選べる仕組みです。一次情報は中小企業庁:中小企業経営強化税制と、税務の要点は国税庁:中小企業経営強化税制(No.5434)で確認できます。
福岡の現場で言うと「忙しい会社ほど、税制で守る」
たとえば博多区の建設業で「写真台帳づくりが夜中まで終わらん」、糟屋の製造業で「在庫が合わんで探し物が多い」みたいな状況だと、IT投資は“コスト”というより人が潰れんための保険になりやすいです。そこに税制が乗ると、導入の痛みが軽くできます。
即時償却と通常償却の違いは「初年度の資金繰り」
通常はソフトウェアなどを耐用年数で分けて経費にしていきます。一方、即時償却なら、導入した年にまとめて経費にできるため、初年度の税負担を下げやすいのがポイントです。
重要:この制度は「設備を買う前」に経営力向上計画の認定が必要です。中小企業庁でも取得前手続きの注意が明記されています。
キャッシュフローの違いを数字で見る
例として「100万円のソフト」を導入したケースで考えます。法人税率は会社の状況で変わりますが、ここでは分かりやすくざっくり30%で置きます(あくまで概算のイメージです)。
通常償却(5年)だと初年度は“少しずつ”
仮に5年定額であれば、初年度に経費にできるのは20万円程度になります。
- 初年度の経費:約20万円
- 税金が軽くなる額(概算):20万円 × 30% = 約6万円
即時償却だと初年度に“まとめて”効く
即時償却を選べれば、100万円をその年の経費にできます。
- 初年度の経費:100万円
- 税金が軽くなる額(概算):100万円 × 30% = 約30万円
同じ100万円の投資でも、初年度に手元に残るお金の感覚が変わるのが即時償却の強みです。
「即時償却」だけじゃない:税額控除という選択肢
中小企業経営強化税制は、即時償却だけでなく税額控除も選べます。一次情報として、中小企業庁は「即時償却 又は 取得価額の10%の税額控除(資本金3,000万円超は7%)」と案内しています(中小企業庁:中小企業経営強化税制)。
Aパターン:即時償却(利益を圧縮して資金を残す)
今期の利益がしっかり出とって、税負担が重い会社は、即時償却で今期の税金を軽くして資金を残す考え方が合いやすいです。
Bパターン:税額控除(納める税金から直接引く)
税額控除は、「経費にする」ではなく「税金から引く」イメージです。利益の出方や将来計画によって、どっちが得かが変わります。
福岡の税理士さんに相談するなら、ここを見せると話が早い
「どっちが得か」は、決算の見込みと投資計画で決まります。地元の税理士さんに相談する時は、次の2つを持っていくと一気に進みます。
- 来期までのざっくり利益見込み(売上と粗利の見込みでOK)
- 入れたいITツールの見積(本体、初期費用、保守、周辺機器)
2026年度版:適用期限と「導入前手続き」チェックリスト
「いつでも使える」と思いがちですが、時限措置が多いです。中小企業庁の案内では、適用期限は2026年度末(2027年3月31日)までと明記されています(中小企業庁:中小企業経営強化税制)。
まず見るチェック項目
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 中小企業者等か |
資本金や従業員規模などの要件に当てはまるか確認します。 |
| 対象設備か |
ソフトウェア等も対象になり得ますが、類型や要件があります。 |
| 経営力向上計画の認定 |
設備取得“前”に認定が必要です。ここを外すと使えんことがあります。 |
| 証明書・確認書のタイミング |
工業会の証明書や大臣確認書など、取得前の申請が必要な場合があります。 |
| 期限(いつまで) |
2027年3月31日までの枠組みとして案内されています。 |
2026年度税制改正は、制度の細部が更新される可能性があります。最新の扱いは必ず一次情報(中小企業庁・国税庁)と、顧問税理士さんの確認をセットにしましょう。
まとめ:DXは「賢い節税」と「現場のラク」を同時に進められます
- 100万円級のIT投資は、税制優遇で“初年度の負担感”を下げられます
- 即時償却だけでなく、税額控除という選択肢もあります
- 最大の落とし穴は「導入前の手続き不足」になるため、順番を守るのが大事です
次にやること:検討中のソフトの「見積書(価格と内訳)」を1枚用意して、経営力向上計画(中小企業庁)の流れと照らし合わせましょう。
「うちが導入しようとしているあのソフト、即時償却の対象になるかな?」と思われたら、ソフト名・金額・何の業務に使うかが分かれば、チェックの観点を“簡易診断”として整理できます。