「材料費が上がっとうとに、値上げの話ができん……」「断られたら、次の仕事がなくなりそうで怖か……」
福岡の製造業や建設業の社長さんと話しよると、ほんとによう聞く悩みです。
ただ、2026年の今、はっきりしとることがあります。
値上げができるかどうかは、営業トークの上手さや根性論やなく、「データ(IT)」を持っとるかどうかです。
今回は、最新調査(2025年9月)や、福岡県内の実例をもとに、取引先に「それなら仕方ない」と言ってもらえる値上げの進め方を、できるだけやさしく解説します。
この記事のポイント
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値上げは「証明」が大事
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感覚的な説明ではなく、数字とデータで示すことで交渉の土俵に上がれます。
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ITは交渉の味方
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会計や原価管理の数字を使えば、取引先も社内説明がしやすくなります。
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全部を上げる必要はない
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赤字の商品・工事だけを狙って値上げする方が、成功しやすいです。
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DXは利益を守る盾
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ITは攻めの道具というより、「会社を守る防具」になります。
原材料高騰は「見える化」せんと伝わらん
「材料が上がったけん、10%上げさせてください」
正直に言うと、これだけでは今の時代、なかなか通りません。
なぜなら、相手の資材担当者も、その上司や本社から
「その値上げ、根拠は何ね?」と詰められとるからです。
「説得」やなく「証明」が必要な理由
経済産業省が公表した「[価格交渉促進月間(2025年9月)フォローアップ調査結果]の調査では、
「納得できる説明があった」と答えた企業が約6割おりました。
つまり、ちゃんとしたデータがあれば、6割は話を聞いてもらえるということです。
ITで準備したい3つの交渉データ
福岡の中小企業でも、まずはこの3つがあれば十分です。
- 原材料費の推移:会計ソフトやExcelから、過去1年の仕入れ価格をグラフ化します。
- エネルギーコスト:電気代・燃料代が製品1個、工事1件にいくら乗っとるかを計算します。
- 公的データとの比較:中小企業庁の価格交渉支援ツールで、世の中の相場と並べます。
立派なシステムは不要です。今使っとる会計ソフトやExcelで十分です。
福岡の製造業に学ぶ、原価管理での逆転事例
福岡県内の金属加工メーカー(従業員20名)の実例です。
先代の頃から「この製品は1個1,000円」という感覚で価格が決まっとりました。
結果、材料高と電気代アップで、気づけば忙しいのにお金が残らん状態に。
原価管理ソフトで何が変わったか
2代目社長がやったことは、たったこれだけです。
- 作業時間をスマホで入力
- 工程ごとの人件費を自動計算
- 製品ごとの本当の原価を見える化
「稼ぎ頭」が赤字と分かった瞬間
驚いたことに、一番出とる製品が一番手間がかかって赤字でした。
そこで、赤字製品だけを対象に、データ付きで15%の値上げを交渉。
結果、取引先も納得し、利益率は前年比8%改善しました。
値上げしても選ばれる会社になるDXの考え方
2026年は、「安かけん買う」だけのお客さんは減っています。
「安心・確実なら高くてもいい」という層をどう作るかがカギです。
安心を売る「トレーサビリティ」
いつ・誰が・どの材料で作ったかをデータで残します。
食品や部品では、これだけで1割高でも選ばれる理由になります。
納期回答の速さも立派な付加価値
「明日までにできる?」に、1分で答えられる会社は強いです。
在庫や工程をITで見える化すると、ここが変わります。
パートナーとしての姿勢を示す
「パートナーシップ構築宣言」に参加し、
一方的やなく、一緒に乗り越える姿勢を示すことも大切です。
まとめ:DXは利益を守るための現実的な道具
- 値上げはわがままではなく、会社を守る正当な行動です
- 感覚ではなく、データが交渉を助けます
- ITは高いシステムより、今ある数字の整理からで十分です
次にやること:まずは「商品・工事ごとの原価」が分かる資料を1つ作ってみましょう。