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公募要領が難しすぎる…AIに“締切・対象・禁則”を抜き出させる

公募要領が難しすぎる…AIに“締切・対象・禁則”を抜き出させる

「公募要領、字がぎゅうぎゅうで何書いとるか分からん」「対象外って、どこに書いとったと?」——福岡の中小企業でも、補助金・助成金の“読み解き疲れ”がよう起きとります。そこで今回は、ChatGPTに「締切・対象・禁則(やってはダメ)」を自動で抜き出させるやり方ば、紙PDFの扱いから、社内共有のコツまでまとめます。専門用語は最小限、博多の現場感で具体的にいきますけん、まずは1本の公募要領から試してみましょう。「締切は守りきり、禁則は踏み外さん」——これが今日のゴールです。売上アップの近道にしましょう。

この記事のポイント

ChatGPTで拾うのは3点だけ

“締切・対象・禁則”の3点に絞れば、読む負担が一気に減ります。まずはここだけChatGPTで自動化できます。

PDFでも大丈夫

スキャンPDFはOCR(紙を文字にする仕組み)を通し、ChatGPTに章立てを認識させて抜き出しできます。

福岡の実務に合わせる

市や県の公募要領で表現が違っても、辞書とテンプレで吸収できます。例外は「要確認」で見える化します。

失敗を仕組みで防ぐ

古い版を読んだ、別制度と混同した——よくある失敗は、版数チェックとURL記録で防げます。ムダ戻りを減らして売上に時間を回しましょう。

そのまま使えるプロンプト

5つのテンプレを載せとります。コピペで“抽出→表→共有”まで回せます(ChatGPT向け)。

なぜ「締切・対象・禁則」だけ先に抜くとラクになるか

公募要領は情報が多すぎて、最初に全体を読むと力尽きます。まずは意思決定に直結する①締切(いつまで出すか)②対象(うちが出せるか)③禁則(やっちゃダメな条件)の3点だけをChatGPTで抜くと、行ける案件か即判断できます。細かい機器要件は後からで十分です。意思決定が早なると、受注の波にも乗りやすくなりますばい。

ChatGPTが得意なところ・不得意なところ

ChatGPTは「文中の条件拾い」と「表づくり」が得意です。一方で「例外の細かい解釈」や「最新改訂の追従」は人の目が必要です。ChatGPT=一次仕分け、人=最終確認の役割分担にすると回りやすくなります。

福岡の具体例:市の省エネ補助を読む場面

「締切:令和◯年◯月◯日」「対象:中小企業基本法の定義内」「禁則:既存の国補助と重複不可」などを先に表に出せれば、博多区の工場長も「出せる/出せん」を朝の会議で即決できます。細かい機器要件は後で詰めましょう。山笠の勢いで、案件判断をサクッと終わらせて売上活動に戻りたいですね。

導入手順:PDFから“締切・対象・禁則”を抜く

やることは5つです。OCR要否チェック→PDF準備→文字化→抽出→表に整形の順で進めます。最初は1本の要領で十分です。

手順0:OCR要る/要らんの3秒チェック

次の3つをサッと確認します。全部OKならOCRなしでChatGPTにそのままPDF添付(またはテキスト貼付)で回せます。1つでもNGなら手順2のOCRへ。

  • 文字が選択できる(ドラッグで反転できる)
  • 検索(例:「申請期間」)でヒットする
  • 1ページをコピペしても行が崩れない(読み順が素直)
注意:OCR不要で添付する場合でも、画像の表・図・脚注は読み飛ばしがちです。補助率・上限額・「消印有効」などの要点は出力後に必ず目視確認しましょう。

手順1:PDFを準備する(版数・日付を必ず記録)

ファイル名に「制度名_版数_公表日」を入れます(例:省エネ補助_第2版_2025-04-15)。

注意:改訂が多いけん、表紙の版数最終改訂日をメモに残します。ここを押さえとくと、ChatGPTの抽出後の確認がスムーズになります。

手順2:文字化(OCR)とレイアウト崩れ対策

手順0で要ると出た場合のみ実施。スキャンPDFはOCR(紙を文字にする仕組み)を通します。段組み崩れは章見出し(例:「1. 募集期間」「2. 申請対象者」)を正規表現(決まった探し方)で拾い、章単位でChatGPTに渡すと精度が上がります。

手順3:ChatGPTで“3点抽出”→不足は「要確認」

抽出テンプレを使い、見当たらない項目は「要確認」と出させます。禁止事項の言い換え(例:「重複不可」「併用不可」「同一事業の二重申請不可」)も辞書で吸収します。商店街の呼び込みみたいに、キーワードは幅広く拾わせましょう。

手順4:表に整形して共有(CSV/スプレッドシート)

列は「制度名/版数/公表日/締切(必着/消印)/対象(誰)/対象(何)/禁則/根拠ページ/確認メモ」。根拠ページ(p.◯)を必ず入れると後から見直しやすくなります。承認も早まり、売上への寄与が見えやすくなりますよ。

福岡の具体例:製造業の設備更新で試す

糟屋の板金工場A社が「プレス機更新」で公募要領をChatGPTにかける→「締切:6/28必着」「対象:中小製造業」「禁則:同一年度の同一設備で他補助併用不可」「根拠:p.5, p.12」を自動抽出。社長は翌朝の朝礼でGo/Stopを判断できます。決裁のスピードが違いますね。

チェックリスト:投入前にここだけ確認

資料の健全性

最新版か/ページ欠損はないか/別紙(様式・Q&A)もあるか。

抽出設定

見出し語(募集期間・申請期間・対象者・対象事業・対象経費・交付要綱・禁止事項)の辞書を用意しときます。ChatGPTのプロンプトに一緒に渡すと安定します。

出力先

部署共有のスプレッドシート1本にまとめます。連絡チャネルは1つ(掲示板またはメール)。2本立ては迷いの元です。

精度を底上げするコツと“よくある失敗”

抽出は8割型自動化できますが、残り2割で差が出ます。現場のクセを辞書で学習させましょう。ここを押さえるとCV(成約)までの歩留まりが上がります。

コツ1:言い換え辞書で同義語を束ねる

締切=募集期間/申請期間/提出期限、対象=申請対象者/補助対象者、禁則=禁止事項/対象外/併用不可——これらを同じ箱に入れます。ChatGPTへの指示で“正規化ルール”を明記しましょう。

コツ2:日付と時間の正規化

「令和表記」「◯時必着」「消印有効」の違いはミスの温床です。ChatGPTには出力をYYYY-MM-DD HH:MMに統一させ、種別(必着/消印)も別列に出させます。屋台のメニューみたいに、書式が揃うと注文(申請)が早い。

コツ3:根拠の抜き出しは“引用+ページ”

「対象:中小企業(製造業)」だけでなく、要領の該当文を短く引用し、ページ番号を併記します。法務や士業とのやりとりが早なります。

よくある失敗:古い版を読んどった

版数・公表日を冒頭で抽出し、違ったらアラートを出させましょう。最初の1分は“資料チェック”、残り9分で抽出が鉄則です。

福岡の具体例:商店街のデジタル化補助

「対象に“共同申請”が要る」「禁則に“既存会計ソフト更新は対象外”」など、地域の制度はクセがあります。天神の小売B社は、“共同”“組合”のキーワードを辞書に足して精度が上がりました。ダジャレ言うなら「要領は“要領”よう覚えときましょう」。…おあとがよろしいようで。

すぐ使える“抽出プロンプト”テンプレ

以下をChatGPTに登録すれば、そのまま運用できます。まずは1→2→3の順で回しましょう。

① 公募要領から「締切・対象・禁則」を抽出(ChatGPTに貼り付けて使用)
あなたは補助金の事務担当です。入力は公募要領の本文です。
次の項目を抽出し、表で出力してください:
[制度名][版数][公表日][締切_種別(必着/消印)][締切_日時(YYYY-MM-DD HH:MM)][対象_誰][対象_何][禁則][根拠ページ][根拠引用(短文)][要確認]

ルール:

* 章見出し「募集期間/申請期間」「申請対象者」「対象事業/対象経費」「禁止事項/対象外」等を優先して検索
* 見当たらない項目は「要確認」と記載し、末尾に質問を列挙
* 日付は西暦で統一、時間が書かれていない場合は「00:00」
* 禁則は「併用不可/重複受給不可/同一事業の二重申請不可/対象外」を正規化して列挙
* 出力はCSV互換の表形式のみ

入力:
{{公募要領テキスト}}

② “対象に該当するか”の一次判定(ChatGPT用)
次の情報から一次判定してください。
入力1:抽出結果(対象_誰/対象_何/禁則/根拠引用)
入力2:自社情報(業種/従業員数/売上規模/所在地/事業内容の要点)

出力:
[結論(可能/グレー/不可)][理由(3行以内)][要追加確認項目(箇条書き)][根拠ページ]

ルール:

* グレーの場合は確認事項を3件以上提示
* 法的判断が必要な場合は「専門家確認」と明記

③ 締切管理用のカレンダー登録テキストを作成(ChatGPTで生成)
抽出結果から、予定表に貼れる1行テキストを作成:

形式:[YYYY-MM-DD HH:MM][制度名][必着/消印][担当][提出方法(オンライン/郵送)]

ルール:

* 提出方法が未記載なら「要確認」
* 担当は部署略称+イニシャルで

④ 禁則チェックリストを生成(申請前の最終確認:ChatGPT)
入力:抽出結果の「禁則」「対象外」「根拠ページ」

出力:申請前チェックリスト(はい/いいえ)10項目

ルール例:

* 同一事業で他の補助金と併用していない
* 申請者区分(中小/小規模など)が一致
* 対象外経費が含まれていない
* 実績報告までの期間を理解している(◯日以内 等)
  各項目の右に根拠ページを併記

⑤ CSV出力テンプレ(台帳取り込み用:ChatGPT)
以下の列順でCSVを出力:

[制度名][版数][公表日][締切_種別][締切_日時][対象_誰][対象_何][禁則][根拠ページ][根拠引用][確認メモ]

ルール:

* 文字列中のカンマは全角に置換
* 日付・時間はISO形式
* 欠落は空欄ではなく「要確認」

運用の定着:社内の“見える化”と証跡づくり

抽出して終わりやなかです。締切の“見える化”と、後から「なぜそう判断したか」の証跡が大事です。ここが固まると受注の取りこぼしが減り、売上アップにつながります。

台帳は1冊主義(部署横断で共有)

営業・総務・経理が同じ台帳を見るようにします。「どこを見ればよか」が1つになるとミスが減ります。

根拠PDFのページ直リンク(またはページ番号)

台帳からワンクリックで根拠に飛べると、承認が早くなります。リンクが難しければページ番号だけでも付けましょう。ChatGPTの出力に併記させると便利です。

週次10分のふりかえり

「要確認」が多かった列を見直し、辞書に同義語を追加。新しい制度で出た表現は、その日のうちに登録します。屋台の仕込みと一緒で、日々の小さな手入れが効きます。

福岡の具体例:港湾関連の制度を横展開

博多港の荷役会社C社は、国・県・市と似た制度が重なります。台帳の「併用不可」列を色分けして、二重申請の芽を早めに摘みよります。結果、申請漏れが減って案件の取り回しが軽くなりました。

まとめと次にやること

公募要領はChatGPTで“先に3点だけ”抜けば、読む負担がぐっと軽くなります。辞書とテンプレで回し、最終確認だけ人がやれば十分です。

  • 手順0の3秒チェックでOCR要否を判断。OKならそのまま添付、NGならOCRして章ごと投入。
  • まずは「締切・対象・禁則」をChatGPTで抽出し、根拠ページつきで表にまとめます。
  • 言い換え辞書と日付の正規化で精度が上がります。台帳は1冊に絞りましょう。
  • 失敗は“旧版読了・例外見落とし”。版数チェックと週次ふりかえりで防げます。
次にやること:今手元の公募要領を1本選び、手順0で判定→テンプレ①で抽出→テンプレ⑤でCSV化→部署の台帳に取り込みましょう。まずは小さく回して、明日の売上チャンスを取りこぼさんごと行きましょう。

もうちょっと知りたかなら、サクッとメールばちょうだい。

博多 ちょい(はかた・ちょい)

執筆者紹介

博多 ちょい(はかた・ちょい)

営業DXライター/補助金アドバイザー

営業畑20年、現場の汗を知る実務派。
「売上アップと補助金活用」を両輪に、中小企業の経営課題をユーモアを交えながら伝える。
データ分析も得意で、AI営業支援や集客改善の最新事例を解説。

趣味:屋台めぐり/数字分析/商店街散策

■出身地
福岡県福岡市博多区

■学歴
1989年 福岡県立福岡高等学校 卒業
1993年 西南学院大学 商学部 卒業

■経歴
1993年 商社勤務 法人営業…製造業向け販路開拓
2003年 コンサル会社 営業マネージャー…補助金申請支援と営業研修
2015年 独立アドバイザー…営業DX・補助金活用の支援多数
2025年 「ChotGPT Fukuoka」専属ライター…営業支援・集客・補助金記事を担当

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