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倉庫・現場の“口頭伝達”をなくす 音声→作業指示AI

倉庫・現場の“口頭伝達”をなくす 音声→作業指示AI

「朝の申し送りは声だけで、昼には内容が変わっとる」「結局“誰が何をやるか”の確認で時間が溶ける…」。福岡の倉庫や工場でも、そんな“口頭伝達あるある”がまだ残っとります。この記事では、ChatGPTアプリのマイクだけ現場の声→作業指示(CSV)へ変換できるやり方を、道具選びから運用までわかりやすく整理します。紙の伝票やホワイトボードを減らせますけん、まずは小さく始めて効果ば体感しましょう。博多弁で言うなら「言うた言わん」は、今日でサヨナラにできます。

この記事のポイント

音声→指示は「ChatGPTマイク一択」

話す→会話で整形→CSV共有の一本化で迷いを無くせます。追加の専用AIや複数アプリは不要にできます。

手順はだれでも同じ

30秒・短文・要素順(ライン→品目→数量…)で話すだけです。口頭で「CSVで出力して」と指示できます。

福岡の現場に合わせる

博多弁や現場語は“辞書”として口頭で指示しましょう(例:めんたい=明太子R1kg)。

道具と費用は身の丈で

スマホ+骨伝導ヘッドセット(物理ボタン付き)で十分始められます。月数千円から試せます。

チェックリストで定着

読み上げスクリプト・口頭指示テンプレ・日次フローを掲示し、だれでも同じ品質にできます。

仕組みの基本:「ChatGPTのマイクで話す→ChatGPTが整形」

やることはシンプルです。①ChatGPTアプリのマイクに話す②ChatGPTへ口頭で整形指示③CSVを共有の3ステップで回せます。聞き漏れはChatGPTが聞き返しますけん、その場で補足できます。

福岡の具体例:博多港そばの倉庫

朝礼で「Aラインは10時までに冷凍、Bは常温、急ぎは西区行き」などを30秒で話しましょう。ChatGPTが「ライン・温度帯・納品先・優先度」の列に整形できます。「急ぎは“もういっちょ”」のような博多弁も、口頭で辞書を伝えれば吸収できます。

効果(目安)

朝礼・口頭確認を1回あたり約10分短縮できます。1日3回で30分、月20日で約10時間の削減が見込めます。段取りがそろい、残業を抑えられます。

導入の手順:今日から小さく始めましょう

「定型が多い・人が多い・トラブルが多い」順に、まず1工程だけで試しましょう。3週間で回り始めます。

手順1:拾う言葉を決める(6要素)

ライン/場所・品目コード・数量・温度帯・納品先・期限・優先度・担当」を言い方ルール化しましょう。数量は必ず数字、優先度は「高・中・低」に統一できます。

手順2:音声の聞き取りを安定

骨伝導ヘッドセット(物理ボタン付き)を胸元に固定しましょう。騒音は一歩離れて、30秒以内・短文に分けて話しましょう。

手順3:ChatGPTで“作業指示フォーマット”に整える

口頭で「CSVで出力して。不明は“要確認”。数量は整数。」と伝えましょう。抜けは“要確認”で見える化できます。

福岡の具体例:冷凍明太子のピッキング

「明太子レギュラー1kg、3箱。西区、午前中優先」と話す→ChatGPTが「品目=明太子R1kg、数量=3、保管=冷凍-A棚、納品先=西区、期限=午前、優先=高、担当=自動割当」に整形できます。急ぎの“おつかい”案件も、表に載せれば混乱せんです。

メモ:RPAとつなげれば、CSVから指示票やラベル印字まで一気通貫にできます。

道具と費用:身の丈サイズで十分

スマホ+ChatGPTアプリ+骨伝導ヘッドセットで始められます。専用端末は定着後で十分です。

推奨セット

  • スマホ(社用)
  • ChatGPTアプリ(全員ログイン)
  • 骨伝導ヘッドセット(物理ボタンで録音開始/停止できます)

費用の目安

小規模(5〜10名)で月数千円〜1万円台で試せます。ヘッドセットは1台1万円台で導入できます。

福岡の具体例:運送の積み残しゼロ作戦

ドライバーが帰庫時に「積み残し・理由・再配日」を話す→ChatGPTが未完了リストへ整形→配車担当へリンク共有できます。博多駅周辺の再配は午前集中、郊外は午後…の段取りもテンプレ化できます。

ChatGPTマイクだけで回す“やること全手順”

「ChatGPTのマイクに話す → その場で整形 → CSVを共有」の一本化で、だれでも同じ成果物にできます。

STEP0:準備(最初の一度だけ)

  1. スマホにChatGPTアプリを入れてログインしましょう。
  2. 本記事の口頭指示テンプレをノートや端末メモに保存しましょう。
  3. 骨伝導ヘッドセットをペアリングし、胸元に固定しましょう。

STEP1:話す前の確認(10秒)

  • 順番はライン→品目→数量→温度→納品先→期限→優先→担当→以上にしましょう。
  • 30秒以内・短文で話しましょう(長い説明は分割)。

STEP2:ChatGPTのマイクで話す(30秒)

  1. ChatGPTアプリを開き、マイクをタップしましょう。
  2. 下記スクリプトの型で話しましょう。最後は必ず「以上」で締めます。
例(倉庫 朝礼):
Aライン、明太子R1kg、数量3、温度帯 冷凍、納品先 西区、期限 午前、優先 高、担当 未定、以上

STEP3:その場で口頭整形(会話で仕上げ)

ChatGPTの返答を確認し、足りない所は口頭で指示しましょう。手直し不要で仕上げられます。

  • CSVで出力して」「数量は整数に統一」「不明は“要確認”にして」と伝えましょう。
  • 辞書は口頭で追加できます(例:「辞書:めんたい=明太子R1kgを使って」)。

STEP4:CSVをコピーして共有(1分)

  1. 完成したCSVをコピーしましょう。
  2. スプレッドシートに貼り付け、列順をテンプレ通りにそろえましょう。
  3. シートのリンクをLINE「お知らせ専用」に投稿し、[確]タグを先頭につけましょう。

1日の回し方(固定フロー)

  1. 8:30 マイクで30秒×3本→会話でCSV化しましょう。
  2. 8:32 CSVをシートへ→リンクをLINEへ投稿しましょう。
  3. 12:00 未完了行にメンションで催促しましょう。
  4. 終業 未処理だけ翌日に繰り越し、完了行はノート化しましょう。

チェックリスト(現場掲示用)

  • マイクは胸元固定/物理ボタンで開始・停止できます。
  • 読み上げは30秒以内・要素順にしましょう。
  • 変換ルールはCSV・数量は整数・不足は「要確認」に統一しましょう。
  • 共有先はLINE「お知らせ専用」一本化にしましょう。

トラブル対処(すぐ効く3つ)

  • 聞き取りが悪い:一歩だけ静かな場所に移動→30秒で録り直しましょう。
  • 用語がブレる:口頭で辞書を追加しましょう(例:天神便=福岡中央便)。
  • 長くなった:案件ごとに分割し、「以上」で区切りましょう。

読み上げスクリプト(貼って使う)

(倉庫 朝礼)
Aライン、品目 明太子R1kg、数量3、温度帯 冷凍、納品先 西区、期限 午前、優先 高、担当 未定、以上
Bライン、品目 常温食品A、数量5、温度帯 常温、納品先 南区、期限 夕方、優先 中、担当 田中、以上

ChatGPTへの口頭指示テンプレ(そのまま言えばOK)

今の内容をCSVで出力してください。列は
[ライン/場所][品目コード][数量][温度帯][納品先][期限][優先度(高/中/低)][担当][メモ]
です。数量は整数に統一し、不明は「要確認」と記載。最後に不足項目の質問を列挙してください。
福岡の小ワザ:「至急もういっちょ」は優先=高にマッピングしましょう/便名(天神便・博多便)は列に追加できます。

よくある失敗と対策:ここだけ押さえましょう

つまずきは決まっとります。ルールで防げますけん、先に手を打ちましょう。

失敗1:音声が長すぎる

1メッセージは30秒以内にしましょう。要素ごとに区切る(例:「数量、ここまで」)で精度が上がります。

失敗2:曖昧語が多い

「さっきのやつ」「ちょっと多め」はやめましょう。品目コード・整数数量・優先(高/中/低)に固定できます。

失敗3:担当者名のブレ

短縮表記を統一しましょう(例:田中→TNK)。口頭でChatGPTに辞書を伝えれば、ゆれを吸収できます。人の呼び方ルールを先に決めると後が楽です。

福岡の具体例:市場の呼称ゆれ

「青果」「やさい」「八百屋」が混在→カテゴリを“青果”に統一しましょう。辞書は週1の振り返りで更新できます。

すぐ使える“音声→作業指示”プロンプト集

以下を口頭で伝えるか、定型文として貼れば、話した内容がそのまま表にまとまります。迷ったらこの型から始めましょう。

朝礼→作業指示(倉庫)
今の内容をCSVで出力してください。列は
[ライン/場所][品目コード][数量][温度帯][納品先][期限][優先度(高/中/低)][担当][メモ]
です。数量は整数、不明は「要確認」。最後に不足項目の質問を列挙してください。

積み残し報告→再配手配(運送)
次の列でCSV出力してください:
[伝票No][荷主][行き先][理由][再配希望日][優先度][担当][連絡要否]
日付はYYYY-MM-DD。理由は(不在/住所違い/破損/時間外/その他)に正規化。不明は「要確認」。

設備点検の読み上げ→点検票
点検読み上げをCSVで出力してください:
[設備ID][点検項目][判定(良/注意/要修)][異常内容][対応期限][担当]
危険語(漏れ/焦げ/異音)は優先度=高。不明は「要確認」。

運用のコツ:続けられる仕組みにしましょう

入れて終わりやなかです。週1の「指示ミスふりかえり」、辞書更新、短文ルールの徹底で精度は上がり続けます。

定例:10分ふりかえり

“要確認”が多かった項目を洗い出し、言い方ルールと辞書を追加しましょう。小さな改善の積み重ねが効きます。

配信チャネルの一本化

指示の配信先はLINE「お知らせ専用」に一本化しましょう。掲示板・メールとの三つ巴は混乱のもとです。“どこ見ればいいか”を迷わせない設計が命です。

福岡の具体例:商流をまたぐとき

博多区の本社と糟屋の倉庫で用語が違うと混乱します。共通テンプレ(CSV列名)だけ揃え、各拠点の辞書で吸収しましょう。

まとめと次にやること

ChatGPTアプリのマイク一択にするだけで、口頭伝達を“同じ型の作業指示”に変えられます。まずは1工程・2週間で小さく回しましょう。

  • 30秒・短文・要素順で話し、口頭で「CSVで出力」指示を入れましょう。
  • 福岡の現場語は口頭の辞書で吸収できます。
  • 配信はLINE「お知らせ専用」一本化で迷いを無くせます。
次にやること:読み上げスクリプトと口頭指示テンプレを現場に掲示し、明日の朝礼を30秒×3本で試しましょう。CSV→シート→LINEまで流せます。

よくわからんかったら、サクッとメールばちょうだい。

糸島 歩(いとしま・あゆむ)

執筆者紹介

糸島 歩(いとしま・あゆむ)

DX設計者/DX解説ライター

地域の中小企業の現場を30年追い続けてきた編集者。
「むずかしいDXを、現場の言葉に翻訳する」が持ち味。
記事だけでなく、構成テンプレ・用語の言い換え辞書まで整える職人気質。

趣味:糸島ドライブ/磯あそびと子ども科学館めぐり/コーヒー焙煎少々

■出身地
福岡県糸島市

■学歴
1991年 福岡県立修猷館高等学校 卒業
1995年 九州大学文学部 卒業

■経歴
1995年 地方紙 経済部記者(福岡)…製造・建設・流通の中小企業を取材
2005年 事業会社 広報/オウンドメディア立ち上げ…BtoB記事と導線設計
2012年 フリー編集者…採用広報・事例記事・ホワイトペーパー制作
2018年 IT/SaaS企業 コンテンツストラテジスト…DX導入事例とHow-to量産
2025年 「ChotGPT Fukuoka」専属ライター…“ちょっとDX”の入門・事例・制度解説を統括

目次

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