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求人票に人が来ない…小さな会社でも応募が増える書き方

求人票に人が来ない…小さな会社でも応募が増える書き方

「求人票を出しても全然応募が来ない…やっぱりうちは小さいけん厳しかね」と感じていませんか。実は、“伝わる言い方”に整えるだけで応募数はぐっと増やせます。この記事では、むずかしい言葉をできるだけ使わず、今日から直せる具体例とテンプレートで、小さな会社でも応募が増える求人票の作り方をやさしく解説します。読み終わるころには、自社ならではの強みを短い言葉でまっすぐ伝えられるようになります。人は納得して動くと力を発揮できます。一緒に整えていきましょう。

この記事のポイント

まず原因を切り分ける

「要件が高すぎ」「情報が少ない」「魅力が不明」をチェックできます。どこから直すかがはっきりします。

小ささは武器になる

社長の近さや決裁の速さ、学べる幅などを、短い具体文で伝えられます。

手順どおり書けば迷わない

見出し→仕事内容→1日の流れ→成長支援→条件の順で、読みやすく整えられます。

スマホ目線で整える

最初の3行・箇条書き・写真なしでも伝わる文章で、離脱を減らせます

応募が来ない原因をまず見つけましょう

応募が少ないときは、原因を3つに分けて見直すと進めやすくなります。要件が高すぎる仕事内容が見えない魅力が伝わっていないのどれかに当てはまることが多いです。ここを抑えると、求職者が「自分ごと」として読み進めやすくなります。

よくある誤解とつまずき

「経験3年以上・即戦力・マルチに対応」などを並べると、未経験や若手は最初から読まなくなります。必要な条件(必須)と、あればうれしい条件(歓迎)を分けましょう。心理学でいう選択肢の過多は意思決定を止めます。=条件が多すぎると「自分は違うかも」と感じて離脱しやすくなります

また、給与幅が広すぎるのに昇給の基準が書かれていないと不安に感じられます。「半年ごとに面談で昇給可」などの判断基準を一文で示しましょう(心理的安全性=安心して期待値がわかる状態)。

原因チェックリスト

  • 必須条件と歓迎条件を分けて書けていますか
  • 1日の流れや具体的な作業が3つ以上書かれていますか
  • 入社後3か月でできるようになることが明記されていますか
  • 昇給の時期・評価の基準が一文で示されていますか
  • スマホで最初の3行だけ読んでも魅力が伝わりますか

福岡の現場でよくあるケースのヒント

天神や博多駅周辺は通勤のしやすさが強みになります。「最寄り博多駅・徒歩7分・雨でも通勤しやすい」と一言添えるだけで印象が変わります。郊外(糸島、久留米など)の場合は車通勤や駐車場補助を書きましょう。「社用車通勤OK」「ガソリン補助あり」など、生活感のある言葉にできます。商店街の顔が見える関係のように、日常の利便性を具体で示しましょう。

小さな会社の強みを言葉にしましょう

大きな会社にない魅力を短く、はっきり見せることがポイントです。決まりが少なく動きやすい学べる範囲が広い社長と距離が近いなどは強い訴求になります。屋台で常連が新人さんを自然にリードするように、“面倒を見てもらえる”イメージを言葉で届けましょう。

具体例:この一文で印象が変わります

  • 面談は月1回。やりたい仕事の相談ができます
  • 朝は9:15スタート。家族の送り出しと両立できます
  • 資格費用を全額会社負担(上限◯万円)。テキストも支給します
「できます」「します」など前向きな言い切りにしましょう。あいまいな表現は避けます。内発的動機づけ=自分からやる気を出す力は、明確な約束があるほど高まりやすいです。

書き方フォーマット(そのまま使えます)

【うちの良さは3つ】①〇〇が速く決まります ②〇〇を会社負担で学べます ③〇〇の働き方を選べます

【入社後の約束】入社1か月は先輩が横につきます/3か月目に面談を行い、得意を伸ばす担当に調整します

よくある失敗

「アットホーム」だけでは伝わりません。具体的な行動に落として書きましょう(例:毎週金曜は15分の全体ミーティング、困りごとはその場で相談できます)。博多山笠のように「役に立ちたい気持ち」が自然に生まれる仕掛けを言語化しましょう。

応募したくなる求人票の書き方手順

流れを決めてしまえば迷いません。下の順番で下書きを作り、最後に短く整えましょう。

手順5ステップ

  1. 見出し:最初の15文字で「何をする仕事か」を一言(例:倉庫で日用品の仕分け/土日休み)
  2. 仕事内容:1日の流れを3行で(例:朝は受け取り→昼は仕分け→夕方は片づけ)
  3. 育成と評価:いつ・だれが・どう育てるか(例:先輩が1か月同行/半年ごとに面談)
  4. 条件:給与の幅と決まり、手当、休日、勤務場所、通勤方法
  5. 応募の動線:応募ボタンの前に「面談だけOK」「LINEで相談OK」を明記

用語ミニ解説

  • ペルソナ(理想の人物像):採用したい人を具体的に描いた像のこと。年齢層や通勤手段まで想像して書きましょう。
  • オンボーディング(入社後の受け入れ):入社1〜3か月で仕事に慣れてもらう仕組みのこと。同行や研修の計画を書きましょう。

福岡の具体例で考えてみましょう

配送スタッフの募集なら、「配達エリア:中央区・城南区中心/坂が少ないルート」「博多市場(青果)の早朝は渋滞少なめ」など、土地感のある一言を入れましょう。求職者は自分の生活と重ねて判断できます。=“この会社で頑張りたい”と思える気持ち(エンゲージメント)につながります

スマホで読みやすく、応募しやすく整えましょう

応募の多くはスマホからです。表示のしかたを少し変えるだけで離脱を減らせます。

チェックリスト(表示・導線)

  • 最初の3行に「仕事」「時間」「休み」を入れていますか
  • 箇条書きは1行25字以内で3〜5個におさえていますか
  • 勤務地の地名は最寄り駅と徒歩分数まで書いていますか
  • 応募前質問の経路を用意していますか(電話・フォーム・LINE)
  • 応募ボタンの直前に「応募後の流れ」を2行で書いていますか

具体例:一文テンプレ

応募前の不安を消す一言:「まずは見学だけでもOK。履歴書は面談後で大丈夫です」

時間の不安を消す一言:「残業は月10時間以内。18:15には退社できます」

注意点

労働条件(賃金、就業時間、休日、勤務地、契約期間など)は必ず明記しましょう。みだりに誇大な表現を使わないことも大切です。制度は人を動かすためでなく、人が成長する場を支えるためのもの。そこにDXを取り入れると、もっと働きやすく整えられます。

そのまま使える文例・テンプレート集

書き換えやすい形で用意しました。自社の実情に合わせて数字を入れて使いましょう。

見出しテンプレ(15〜20字)

  • 倉庫の仕分け/土日休み・力仕事少なめ
  • ルート配送/固定コース・早上がり可
  • 事務/17時半退社・駅チカ

「仕事内容」テンプレ

朝は〇〇を受け取り→昼は〇〇を仕分け→夕方は〇〇を片づけ。はじめの1か月は先輩が横について進めます。重い荷物は台車を使います。

「育成・評価」テンプレ

入社1か月は毎日10分の振り返り。3か月目に面談し、できることに応じて担当を調整します。半年ごとに昇給の見直しをします。

「応募前にできること」テンプレ

まずは職場見学だけでもOKLINEで質問できます(平日9〜18時)。面談は私服で大丈夫です。

ビフォー/アフター例

ビフォー:明るく元気な方歓迎。やる気のある方。

アフター:朝は大きな声であいさつできる方/重い荷物は台車を使い、ていねいに扱える方。

仕上げチェックと次の一手

最後に、第三者の目で客観的に見直しましょう。数字と約束ごとが入っているかがカギです。

最終チェックリスト

  • 数字が入っていますか(徒歩7分、残業月10hなど)
  • 入社後3か月の流れが一文で書かれていますか
  • 不安を消す一言が入っていますか(見学OK、LINE相談OK)
  • 応募の流れが2行で書かれていますか

福岡の採用ルートも試してみましょう

地元つながりは強い味方です。学校や商店会、業界団体への周知、社員の紹介制度、社屋前の掲示など、顔の見える告知も組み合わせましょう。「うちで働いてみらん?」と声をかけやすい場づくりが大事です。まずは小さく試して、反応を見ながら改善しましょう。

まとめと次にやること

  • 応募が来ない原因は「要件」「仕事内容」「魅力」の3点で切り分けできます
  • 小ささは強みになります。具体的な行動に言い換えて書きましょう
  • 手順に沿って、数字と約束ごとを入れると信頼が高まります
次にやること:いまの求人票の最初の3行だけを、この記事のテンプレに合わせて書き直してみましょう。そこで伝わるなら本文も整えていけます。
制度は人を動かすためでなく、人が成長する場を支えるためのものです。そこにDXを取り入れると、もっと働きやすい未来をつくれます。

もうちょっと知りたかなら、サクッとメールばちょうだい。

天神 真理(てんじん・まり)

執筆者紹介

天神 真理(てんじん・まり)

人事DXライター/研修講師

人と組織の成長をテーマに、採用・教育・評価制度を解説するスペシャリスト。
「やわらかいけど芯がある」文章で、制度だけでなく人の気持ちに寄り添う記事を執筆。
心理学の知見を活かし、実務に使える人材育成ノウハウを届ける。

趣味:歌舞伎鑑賞/心理学書の読書/紅茶集め

■出身地
福岡県福岡市中央区

■学歴
1992年 福岡県立筑紫丘高等学校 卒業
1996年 九州大学 教育学部 卒業

■経歴
1996年 人材サービス会社 人事コンサルタント…採用・制度設計を担当
2006年 研修会社 講師…新人研修・管理職研修の企画運営
2015年 独立 HRアドバイザー…人材育成・評価制度改革を支援
2025年 「ChotGPT Fukuoka」専属ライター…人事DX・人材育成記事を担当

目次

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