展示会やチラシを作って配ったけど、「そのあとどうしたらいいかわからん」「せっかく集めた名刺が机の中で眠っとる」といった声、福岡の中小企業さんからよう聞きます。実は、チラシや展示会は“きっかけ”にすぎんとです。ここからどう売上につなげるかが本当の勝負。この記事では、展示会やチラシを「一回きり」で終わらせず、しっかり商談・受注へ橋渡しするための仕組みづくりを、博多っぽい現場感でわかりやすく解説します。補助金もうまく使えばコストを抑えて回せますけん、明日から動けるヒントをまとめとります。
この記事のポイント
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「展示会後の流れ」が大事
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展示会やチラシはスタート地点。次のアクションがなければ売上に繋がらんとです。
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見込み客を温める工夫
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名刺交換や資料請求から段階的に関係を深める“型”を作れば、商談化が進みます。
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ITを使った効率化
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メール配信や顧客管理ツールで、少人数でも大手に負けん動きができます。補助金活用で負担軽減も可。
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福岡ならではの人間関係活用
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地元のつながりと紹介文化をベースに、“待ち”から“攻め”へ切り替えましょう。
展示会やチラシで終わらせないために
展示会やチラシは「知ってもらう」ために有効。でも、そこだけでは売上は動きません。大事なのはその後にどんなアクションを取るか。いわば“名刺交換してからが営業の本番”。ここを仕組み化できれば、費用対効果はぐっと上がります。
よくある失敗
「展示会で名刺を100枚集めたのに、そのまま放置」「チラシを配ったあと、電話を待つだけ」。これは典型的な失敗パターンたい。時間もお金ももったいなかです。次の一手までをセットで計画しときましょう。
福岡での具体例
たとえば博多駅前で展示会をしたA社さん。集めた名刺へ即日お礼メール、続けて「試食会」の案内を差し込み、半年後に新規取引が決定。福岡ならではの「また会いましょう」文化を活かし、接点を切らさない流れを作った好例です。
売上につなげる仕組みづくり
カギは「段階を追って関係を温める」こと。いきなり契約やなく、相手が安心して検討できるステップを用意しましょう。
ステップの考え方
①お礼の連絡 → ②追加の情報提供(例:事例・導入効果) → ③体験や相談への誘導 → ④商談、の順で“次の小さな合意”を積み上げると効果的ですよ。
チェックリスト
- 展示会後、1週間以内にお礼の連絡をしとるか?
- 相手の役に立つ情報(事例・FAQ・価格目安)を渡せとるか?
- 「相談」や「体験」など、ハードルの低い誘導口を用意しとるか?
小さな会社でもできるIT活用
営業を“人力だけ”で回すのは大変。今は小さな会社でも使える手軽なツールが揃っとります。段階に合わせて無理なく始めましょう。
まずは手作業から始めましょう
いきなりメール配信ツールやCRMを入れんでも大丈夫。まずは展示会でもらった名刺へ1週間以内に一通ずつお礼メール、Excelやノートで「誰に何を送ったか」を記録。ここで回らんくなって初めてツールを検討すれば十分たい。導入時は補助金の対象になるケースもあるけん要チェックです。
メール配信ツール
展示会で名刺をもらった方へ定期的に情報発信すると、「そういえば」の想起が生まれます。福岡の飲食店でも「新メニューのお知らせ」でリピーターづくりに活用されとります。
ただしツールには費用がかかる点は把握しときましょう。相場は月額3,000円〜10,000円ほど。小規模なら低価格から始められます。主な機能は以下の通り:
- 一斉に多くのお客さんへメールを送れる
- 開封・クリック状況を把握できる
- リストを分けて「常連向け」「新規向け」などに配信できる
顧客管理ツール(CRM)
「あのお客さんに何を提案したか」を残すだけで対応漏れが減ります。紙の名刺箱よりずっと便利。費用の相場は月額5,000円〜20,000円程度が一般的ですが、まずは手作業で回らんくなったタイミングで導入すればOK。ここも補助金対象になりうるけん、負担を抑えて整備できますよ。
名刺から受注まで:標準フロー(7日〜30日)
- 当日:お礼メール送信/ブースで話した要点を3行で復習/次の軽い提案(資料・動画・試食会案内)
- 3日目:事例メール(近い業界の成果や導入効果)+「よければ5分だけ電話で補足しましょうか?」
- 7日目:ミニ体験・デモ・試食・見学などの招待(日時候補を3つ提示)
- 14日目:価格目安と小さく始める方法を案内(初月トライアル/小ロット)
- 30日目:未返信フォロー(要/不要の一言だけでもOKの低ハードル連絡)
使い回しできるメールテンプレ
お礼メール(当日)
件名:本日はありがとうございました(資料お送りします)
○○株式会社 △△様
本日はお立ち寄りありがとうございます。話題に上がった【課題】の件、すぐ読める資料を添付します。
よければ3分だけ、ポイントを口頭でご説明します。ご都合:①◯/◯(火)10:00 ②◯/◯(水)15:00 ③◯/◯(木)9:00
──担当:□□(直通:090-xxxx-xxxx)
事例メール(3日目)
件名:近い業界の事例をご紹介(1分で読めます)
△△様
同規模の【業界名】で、【効果の数字】が出た事例です。要点だけ資料2枚にまとめました。
必要なら5分だけお電話で補足します。無理な売り込みは致しません。
ミニ体験の誘導(7日目)
件名:まずは“お試し”どうですか?(無料デモのご案内)
△△様
百聞は一見にしかず。10〜15分の短いデモをご用意しました。
候補:①◯/◯(火)10:00 ②◯/◯(水)15:00 ③◯/◯(木)9:00(オンライン可)
“見込み度メーター”で優先度をつける
全部に全力はムリ。反応の強さで優先順位をつけましょう。
| 行動 | 点数 | 対応 |
|---|---|---|
| お礼メール開封 | +1 | 通常フォロー |
| 資料クリック | +2 | 翌日ショートコール |
| デモ申込 | +5 | 当日中に日程確定 |
| 価格ページ閲覧 | +3 | 小ロット提案を送付 |
合計5点以上=最優先。3点以下=メール中心で温め直し。
カデンス(連絡の打ち手のリズム)
- 週1回メール:事例/FAQ/動画のどれか1つだけ。長文禁止。
- 隔週1回電話:5分以内、要点は「困りごとの再確認→次の小さな合意」。
- 月1回オフライン:試食・見学・勉強会。地元ならではの顔合わせで信頼を積む。
商談化を早める“低ハードルの受け皿”
- 価格目安シート:幅を持たせた参考価格。問い合わせの心理的障壁を下げる。
- ミニ体験:10分デモ/小ロットお試し/初月解約自由。
- 相談会:毎週同じ時間に開催(火曜16時など)。案内は固定文でOK。
台帳(ExcelでもOK)の列見本
まずは手持ちで回る形に。これだけで十分ですたい。
- 会社名/担当者/連絡先/展示会で話した要点(50字)
- 次やること/期限/結果
- 反応(開封・クリック・デモ有無)
- 見込み度(A=1ヶ月内、B=3ヶ月内、C=未定)
ダッシュボードって何?(ここでは“1枚の見える化メモ”)
ここでのダッシュボードは、難しいツールのことやなく「営業の今が1枚でわかる表(または画面)」のこと。まずはExcel/スプレッドシートや社内掲示の1ページでOKです。
この1枚に載せるのは“少数精鋭の数字”だけ
- お礼送付率(名刺数に対し何%お礼を送れたか)
- 体験誘導率(お礼送付 → 体験申込の割合)
- 商談化率(体験 → 商談の割合)
- 受注率(商談 → 受注の割合)
- 平均日数(名刺→商談/商談→受注)
書式サンプル(コピペで使えます)
| 期間 | 名刺数 | お礼送付率 | 体験誘導率 | 商談化率 | 受注率 | 名刺→商談(日) | 商談→受注(日) |
|------------|--------|------------|------------|----------|--------|----------------|----------------|
| 今週 | 120 | 85% | 22% | 35% | 18% | 9 | 14 |
| 先週 | 95 | 78% | 19% | 32% | 15% | 10 | 16 |
入力ルール(1分で終わる運用)
- 更新は週1回、担当1名(営業アシストなど)に固定
- 数字の元データは台帳(Excel/CRM)からコピペのみ
- 会議では増減の理由と「次やること」1つだけ口頭共有(詰問禁止)
“見えたら打つ”の例(読み方ガイド)
- お礼送付率が低い → 当日テンプレを改善/定型の件名に揃える
- 体験誘導率が低い → 体験のハードルを下げる(10分デモ・日時3候補・オンライン可)
- 商談→受注が止まる → 見積の前提テンプレ統一/小ロット案を事前に用意
まずはこの“1画面”だけ作ればOK
ツールは後回しで大丈夫。最初はスプレッドシートの1枚から。慣れてきたらグラフを足す程度。屋台の仕込みみたいに、毎週コツコツ回せば十分効きますたい。
資料と見積の“型”を統一
- 1枚要約スライド(効果・手順・価格目安を1画面)
- 事例2枚(課題→打ち手→結果)
- 見積の前提条件ひな形(有効期限・範囲・納期・値引条件)
誰が作っても同じ骨格。ばらつきが消え、スピードが出ます。
30・60・90日の導入ロードマップ
- 30日:お礼テンプレ・体験招待テンプレを整備/台帳運用開始/週次レビュー導入
- 60日:メールテンプレ3本と事例2本を作成/低ハードルの受け皿(体験・相談会)を固定
- 90日:反応データで“見込み度メーター”を見直し/商談率が高い文面に寄せて改訂
役割分担とルール(SLAっぽく簡単に)
- 当日中:名刺のデータ化/お礼送信(担当:展示会メンバー)
- 3営業日内:事例メール送付と短時間コール(担当:営業)
- 1週間内:体験・相談の日程確定(担当:営業アシスト)
よくあるつまずき → 現場ワザ
- 返信がない:要/不要の2択で返せる一言メールに変える
- 価格の話で止まる:小ロット/分割導入の提案を先に用意
- 資料が読まれない:1枚要約+動画30秒で入口を軽く
まとめと次の一歩
展示会やチラシを「一回きり」で終わらせず売上につなげるには、次の工夫が肝心たい。
- 展示会やチラシはスタート地点にすぎん
- 段階を追って関係を温める“型”を作る
- ITを使えば少人数でも効率よく回せる(補助金の活用で費用負担も軽減)
次にやることは、「展示会やチラシで得た名刺を整理し、まずはお礼の連絡をする」こと。ここからが仕組みづくりのスタートです。
「うちの業種ならどう回すと良かろう?」という相談も気軽にどうぞ。売上アップと補助金活用、二輪で伴走しますけん!